2026年10月16日(金)

【特集】デザインで切り拓く 機械・工具・機器 メーカー
新市場を開拓 女性のニーズ

 工作機械や工具、機器メーカーが商品デザインに力を入れている。見た目をスタイリッシュに、使いやすい形状や素材に―。その目的は、新たな市場の開拓やブランドイメージの向上。デザイン戦略で新たな活路を開いている。

日本ベアリングのローラーガイド「EXRAIL(エクスレイル)」
日本ベアリングのローラーガイド「EXRAIL(エクスレイル)」

 リターンキャップに付けたオレンジ色のバッヂが高級感を漂わせる。バッヂには「NB」のロゴマーク。日本ベアリングが今夏発売するローラーガイド「EXRAIL」(エクスレイル)だ。

 バッヂを付けたのはこれが初めて。狙いは大型(レール幅35~55㎜)市場の開拓。競合他社がひしめき性能だけで勝負するのは難しい。そこでデザインで性能や品質の高さを演出しようと考えた。

 工業デザイナーとコラボし、コーポレートカラーのオレンジを基調とするデザインを作りあげ、EXRAILが変身するロボットのキャラクターもつくった。

 デザインに力を入れ始めたのは山崎亨社長が就任した2013年から。新しいことをしないと次の時代を勝ち残れないという危機感からで、今後もブランドイメージを発信するため力を入れる。

長谷川工業の脚立「ルカーノ」
長谷川工業の脚立「ルカーノ」

 今までにない市場を開拓するのが長谷川工業の脚立「ルカーノ」だ。滑らかな曲面と幅広いステップ。スタイリッシュなデザインは脚立のイメージを覆す。

 開発したのは09年。長谷川義高副社長が高級ブランドショップで脚立を使っているのを、ブランドイメージと合わないと感じたのがきっかけだ。

 インテリアとして部屋の雰囲気や家具と調和する脚立をコンセプトに、見た目のデザインだけでなく、折りたたんでも自立し部屋に置けるようにした。

 フェイスブックなどで情報発信し、ファッション誌でも取り上げられ、インテリアショップや高級ブランド店、一般家庭にも売れているという。

ベッセルの電動ドライバー「VEシリーズ」
ベッセルの電動ドライバー「VEシリーズ」

 女性にも使い易いデザインにした電動ドライバー「VEシリーズ」を展開するのはベッセル。グリップにエラストマー樹脂を使い手にフィットする形に。エアツールと比べると格段に軽い。

 電動ドライバーは電気製品などの組立に使われる。だが既存品は重かったり太かったり。女性の作業者から使い易さを求める声が寄せられていた。14年に発売し、現在全17サイズを展開する。

 目指すは電気製品などの工場の市場開拓。ビットやエアニッパ、静電気除去器などに電動ドライバーを加え、トータルで提案していく考えだ。

「Stapi(スタッピー)シリーズ」の足場台
ピカコーポレイション「Stapi(スタッピー)シリーズ」の足場台

 ピカコーポレイションは、作業効率の向上や作業の負担軽減をテーマに脚立や足場台をデザインしている。その一つが「Stapi(スタッピー)シリーズ」。立ったまま脚を伸縮できるのが特長で、手間がかからず腰を痛めることもない。

 現場作業やものづくりの現場で、作業効率改善や労働災害を防ぐ取り組みが進む中、今後もこれらをテーマに商品開発していくという。

ヤマザキマザックの「VARIAXIS」
ヤマザキマザックの5軸加工機「VARIAXIS」

 ヤマザキマザックは人間工学にもとづき、操作性や安全性、生産性向上を追究したデザインを工作機械に採用している。

 例えばドアの開口部を拡げて接近性やクレーンアクセスを向上、操作盤を旋回及びチルト可能に、手を挟みやすい部分にオレンジ色のラインを入れ注意を促すなど。ユーザーから使い易く安全と評価が高いという。

日本産機新聞 平成29年(2017年)6月15日号

[ 日本産機新聞 ][ 特集 ] カテゴリの関連記事

社員の「やりたい」を事業の力に 北出金作商店、ものづくりの魅力をカフェから発信

機械工具販売店の北出金作商店(京都市中京区、075・311・3141)は本社そばに「Cafe ギアデ」をオープン。きっかけは、社員の「やってみたい」という声で、工場を眺めながら過ごせる空間には、会社のこれからと、ものづく […]

FingerVisionがフィジカルAIの現在地を語る

FingerVisionがフィジカルAIの現在地を語る

視触覚センサでロボットの応用範囲を拡大 9月7日、グラングリーン大阪(大阪市北区)で「次世代テックフォーラム・トータルコーディネート会議『2030年代の技術予測から読み解くビジネスチャンス』」(主催:大阪商工会議所、共催 […]

デンソーウェーブ AMR・ロボの組み合わせ実装機にリールを供給【特集:搬送の自動化・効率化】

デンソーウェーブがモバイルマニュピレータで半導体実装機にリールを自動供給する技術を提案している。実装機との相対位置をQRコードで認識し座標補正する機能により、多様な実装機に対応できる。人が担っている供給作業を自動化し、半 […]

記事ジャンル

関連サイト