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小原歯車工業
熱変形少なく、高精度
レーザで焼入れ
歯車・ラック
小原歯車工業(埼玉県川口市、048・255・4871)は、歯車やラックの表面強度を上げる焼き入れ処理で、半導体レーザを使った新工法を確立した。従来の高周波焼入れに比べ、熱変形が少なく精度が高いことや、狭小部などにも熱処理できるのが特長。歪み矯正、冷却工程などが削減でき、「生産リードタイムの短縮や、コストも抑えられる」(小原健嗣常務)という。昨年11月には、レーザ焼き入れラックを標準品として発売し、今後は高周波からレーザへと置き換えていく。
高周波から置き換え提案
そこで同社は2015年、製造子会社のKHK野田(千葉県野田市)に独自の半導体レーザ装置を導入。焼入れ後の冷却や焼き戻し、歪みの矯正など後工程が大幅に削減できる「レーザ焼入れ」の研究を始めた。小原常務は、「照射時間や出力、角度など試行錯誤を繰り返し、ようやく製品化できるようになった」。昨年11月に、レーザ焼入れラック「SRF-HL」を標準品として発売。「(高周波焼入れに比べ)数日かかっていた工程が数時間で可能になったほか、生産コストも2割ほど削減できた」という。
同製品は、m1.5~6まで揃え、全長は高周波焼入れでは1mまでだったが、歪みが少ないため2mまで標準化。全21種類を揃える。焼入れ硬度もHRC55~65と高周波よりも硬度が高く、ダウンサイジングによるコスト低減や小型化も図ることができる。
小原常務は「レーザ焼入れは、歯車の熱処理では今までにない技術で、精度と生産スピードに大きな利点がある。こうした特性に合った分野では、高周波からレーザへの置き換えを積極的に提案していく。また、今後は様々な製品にも応用していきたい」。
日本産機新聞 平成29年(2017年)3月25日号
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