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異業種交流座談会 メーカー8社が語る、どうなる2015年
第2部 活躍の舞台広げる今年の取り組み
出席者
オークマ
営業本部大阪支店 次長 田中基樹氏
キトー
東アジア事業本部大阪営業部 部長 富田行雄氏
昭和電機
営業本部 営業部統括副部長 大西稔氏
スイデン
大阪支店 支店長 松永正氏
大昭和精機
西部支店 営業課 課長 内海聡氏
東京精密
執行役員 西日本営業統括 兼 営業4部 部長 河合克夫氏
TONE
営業企画部 部長代行 太田勝久氏
三菱マテリアル
加工事業カンパニー 大阪支店 流通営業課 課長 松田武氏
― 日本のものづくりに必要なことは。
田中(オークマ)日本の技術トレンドと言う観点で話をしますと、日本の製造業にいかにして貢献していくかと言う風に取り組んでいますが、今後は単純形状の量産加工というモノづくりではなく高付加価値な加工を指向すべきだと思っています。省エネやCO2の削減という環境対応技術の開発の重要度もますます増していくと思います。
― 環境と言えば、スイデンさんも低騒音タイプに注力。
松永(スイデン) 全ての機種を低騒音・省エネに向けて投入するつもりです。今は小さな200L・300Lタイプと600タイプの低騒音送風機を準備してきましたが、その中間の機種400・500タイプも低騒音機種として今年の5月に発売する予定です。
それから、通販事業にも力を入れていきます。通販で売る商品づくりと、通販をサポートするサービス体制を強化していきます。たとえば、クリーナーは店舗のお客さんも購入されるわけですが、修理を要望された時に口座がないわけです。ネット販売はユーザー様から様々な問い合わせや、サービスを要求されます。当社の製品を安心してご使用いただくためにもサービス部門の受け皿をしっかりと作る必要があるということです。
― 白色干渉法は新しいですね。
河合(東京精密)競合メーカーもありますが、他社ではできなかったことができるので、自動車業界などにも喜ばれると思っています。今まで測れなかった、たとえば、刃物の先の尖ったものの形状や、ブレードで切った溝の形状なども高精度で測れます。
それから、自動計測センサーで電気マイクロ、エアマイクロがありますが、その計測データをパソコンに直接USBで転送することができるUSBゲージを発表しました。JIMTOFでも予想以上に人気で引き合いをたくさん頂きました。今までなら10本検査機を付けた時にアンプも10個になるのですが、パソコン1台でポンとできるので、単価は安いですが、数量的にたくさん売れると思います。
― TONEさんの電動工具は。
太田(TONE)最近のユーザーさんの省力化の流れで、充電工具がかなり増えてきており、ソケットレンチメーカーとして、ソケットと充電ドリルドライバーの六角ビットとソケットをつなぐアダプターを新製品としてサイズ拡大をしていきます。他にも一昨年75周年で色々と新製品を出しながらセールをしていましたが、その時に間に合わなかった商品が、昨年順次製品化してきました。今年もTONEのブランドイメージにあったデザインの新製品をどんどん発売していく予定です。
動力工具は、今年はサイズ拡大しました。コーナー型というアングルタイプ、狭い所で使って頂くようなエアーインパクトレンチがありますが、さらにサイズ拡大を進め
ていきます。昨年、“建方一番”という仮締め機のコーナー型も出しましたので推していきます。
―昭和電機さんのミストレーサは。
大西(昭和電機)IE3モータ搭載の新製品を今年から発売します。IE3モータで3.7kWまでは送風機用ですと普通2ポールしか必要ないですが4ポールのモータも開発できています。たとえば軸をステンレスにするとか、軸を長くするという大手さんではあまりやりたがらない特殊モータを販売していくことにも今年は力を入れていきます。以前から耐圧・防爆と安全増防爆モータも3・7kwまでは自社で製造しており、3週間から1カ月の短納期で対応できます。モータを使った製品の今年の切換えを目がけて販売を拡大していきたいと考えています。
― モータ単体の拡販にも注力する。
大西(昭和電機) そうです。それも特殊なモータに限ると言う事で、1台からでも作るという事がポイントです。50台とかでなく1台とか2台とか小ロットに強みを出していきたいという事です。
― 大昭和精機さんも開発に注力しています。
内海(大昭和精機)数年前、新製品をもっと開発しようということで、専門の開発部隊を作りました。ユーザー様、現場に直接行かれるディーラー様からの声、また当社の営業マン、例えば1年目の営業マンが拾ってきた声をトップまで止めずに上げるという体制を構築しました。今回のJIMTOFでも、こういういい雰囲気の中で結実したものとして年数は掛かっているものですが、商品をいろいろ発表できました。
― 例えば。
内海(大昭和精機)例えば前回JIMTOFで発表したスマートダンパーを実際発売すると、我々が思っている以上の過酷な条件が出てきました。もっと長い条件での防振効果を要望されるとか。他にも例えば油圧式のハイドロチャックを販売していますが、不慣れなユーザー様、高速回転ユーザー様でも使用して頂けるような商品を今回ラインナップに加えました。今までネックになっていたものを技術的に克服して発表に至り、それが昨年11月12月になって商品化しました。
― 今年も開発は強化。
内海(大昭和精機)それは永遠のテーマです。
今回JIMTOFに出展したメガパーフェクトグリップは、航空機業界向けの商品で、元々JIMTOF前のシカゴショーで出展したものです。今アメリカが非常に好景気で、特に航空機産業が非常に忙しい中、注目されて海外では既に受注を頂きました。運もあるわけですが、失敗も含めて新製品開発に早くから取りかかっておかないと、いい話も出てきません。そのような新商品は、日本でモノ作りをしていますので、そこで差別化をしていかないと今後は我々も生き残れないと思います。
また当社は、ツーリング+切削工具や、測定、ソフトウェアも絡めた営業が持ち味です。ツーリングメーカーというのが基本にあった上で、そういったものを商売に絡めていきたいと思っています。
―三菱マテリアルさんは、JIMTOFで、新しいブランドイメージを披露しました。
松田(三菱マテリアル) 「あなたの、世界の、総合工具工房。」がそれです。お客様の課題を解決するパートナーとして喜びやワクワクを提供し、そして成功に導くことができるものづくりのプロでありたい・・・という意気込みを表したもので、お客様のための唯一の“工具工房”を目指します。
新しい取り組みとして、東部・中部・西部に3台のキャラバンカーを導入し、展示・即売を展開します。JIMTOF以降、約800アイテムの新製品を発売しましたので、新製品の拡販に力を入れていこうというのが今年の取り組みです。
― キャラバンカーはユーザーを訪問するのですか。
松田(三菱マテリアル) ユーザーに現品を持ちこんで、見て触って買ってもらうことが狙いです。お昼休みなんかに展示会をしたり、研修会をしてみたり。ある程度の工具を揃えているのに加えて、加工サンプルも用意しています。東日本大震災とタイの洪水でお客様に大変ご迷惑をおかけしましたが、その後増産体制の構築に取り組み、今は被災前よりも3割程度供給体制を増強できています。海外の生産も強化していて、今はエンドミルをインドネシアで作っていますし、スペイン、アメリカも生産を増強しています。「物がある三菱マテリアル」を強くPRしてまいります。
― 昭和電機さんも現場へ。
大西(昭和電機) 現場に行くという事を1番にしています。例えば、営業マンがミストレーサのフィルターを掃除する部品をお客様に配達する。そこでお客様に使い方を説明したり、実際に交換したりすることによって、小さなエンジニアリング会社じゃないですが、そういう事を覚えてほしいんです。若手には先輩が同行してそういう教育をしながら、とにかく現場に行くという事を1番にやっていきたいですね。
―工作機械のトレンドは。
田中(オークマ) 複合とか5軸の流れが加速しており、多機能・工程集約に取り組んでいます。
業界で見ますと、自動車、航空機関係で炭素繊維などの新素材、あるいは難削材の加工の高度化がどんどん進み、それに対応するように作っていかないといけません。
また、機械は使っているうちに誤差が出てくるわけですが、その誤差を機械自らが修正するような技術を開発しています。
新しいものとして、3Dプリンタがあり、JIMTOFでは他社が発表しておられましたが、速度や強度、量産性などまだまだ技術的な課題が多く、我々もリサーチを進めています。
今後の注目市場は、産業別にいいますと航空機関係。MRJがロールアウトし、国内の航空機産業が、発展段階を迎えています。そこを狙った製品づくりをしております。
― 航空機産業向けの機械というと。
田中(オークマ) 5軸にも繋がるのですが、門形とか大形の機械を作っていますので、それらで対応していきます。
また、当社はCNC装置を自社開発しており、昔は“機電一体”ということでPRをしてきましたが、今は一層高度化し、情報技術、知能化技術を加えて“機電情知”とういう4つを融合して開発していきます。知能化技術はJIMTOFでもPRしました。機械の熱変位を抑える“サーモフレンドリー”、加工中のビビリを抑える“加工ナビ”、工具やツーリングとワークの衝突を防止する“アンチクラッシュシステム”、自立的に機械が幾何誤差を補正する“チューニング機能”などを開発しており、JIMTOFでは、5軸プラス複合加工機で両方をチューニングするシステムを採用し、機械と電気の両方を持っている当社しかできないと非常に高い評価を頂きました。
―シンクロドライビングもありますね。
田中(オークマ)インサート工具の加工時間を大幅に短縮すると同時に刃具の大幅な長寿命化を実現する技術も開発しました。また、加工技術の面で、普通なら専用機しかできないギアのスカイビング加工を一般の工作機械でもできると提案しました。プログラム作成を簡素化しパッケージ化したのです。複合加工機を使った大型のべベルギア型の加工や航空機のブレードの加工なども技術開発しています。
― キトーさんは販売体制を見直しました。
富田(キトー) 国内に関しては今年4月から代理店様を認定販売代理店として新たに位置付け、新代理店制度をスタートさせました。その中で今年は特に認定販売代理店様への教育活動に注力します。今アメリカでは、販売代理店を集めたアカデミースクールを常時開いていますが、内容は製品スペック説明や分解・組立の知識取得だけではありません。
―米国の事情ですか。
富田(キトー)揚重機ですから、安心安全と言う問題は入ってきます。当然法律的な問題、操作・玉掛け、あるいは事前の事故防止であるとか、そういったことを認定販売代理店様に熟知して頂いて、エンドユーザー様に提案して頂きたい。そういう面の普及活動に重点を置きます。
また、昨年4月に社内の体制も一部変えました。全国に営業所がありますが、カスタマーセンターを4月に東京・名古屋・大阪に発足をさせています。問い合わせも最近フリーダイヤルに変更しました。
― 消費税増税先送りの影響は。
松永(スイデン) 当社の商品は換気扇などいわゆる工場の付帯設備になりますので、以前は引き合いがあれば出かけてお話しするという形でしたが、ここ数年は私共がしっかりと大手ユーザー様に換気の効果を提案するということを徹底しています。お陰様で、大手ユーザー様にもご採用頂き、単に取付だけでなく設置後のメンテナンスまで依頼して頂けることも増えてきました。お客様とより深い繋がりを持って、さまざまな環境改善の商品の提案をしてまいります。
― トータルで請ける。
松永(スイデン)ミストや粉塵などの排出で、屋上換気扇などは結構汚れるので、大手ユーザー様はメンテナンスを重要視されます。ましてや油煙ですと、上から垂れてくる場合もあり、製品にNGが出ます。年に一度の割合でメンテをされますので、当社が総合的に請負います。天蓋から羽根まで全て外し、洗剤で綺麗に拭いて仕上げます。秋口から冬にかけて結構引き合いを頂きました。
― 年間を通して需要がありそうです。
松永(スイデン) 私共は季節的な商品が多いため、冬場は夏ほどの忙しさはありません。そこで、11月から商品開発の担当者が仙台から福岡までの10拠点で、地域の主力販売店様の協力を得ながら一緒にユーザー様を訪問し、情報収集活動を行っています。一昨年から始めたのですが、それぞれの製品の開発担当者が「なにか不都合な点はありませんか」「どう改良したらいいですか」など生の声を聞くことで今後の商品づくりに役立てるようにしています。開発担当者も訪問する機会がない中、会社全体としてプラス効果になっています。
―キトーさんは。
富田(キトー) これは上方修正の要因になるかもしれません。円安については、企業業績に良い影響が出ますので、堅調な設備投資を期待しています。ただすべてが拡張のための設備投資ではないだろうと思いますので、必要最低限に抑制されると思っています。今年とあまり変わらない環境かなと思っています。
公共投資については補正予算の関係もありますので、前半位までは堅調に進むのかなと思っています。後半はわかりません。ただ2020年の東京オリンピックまでは、堅調に続くのを期待したいです。
― TONEさんはジェットスキーに参画しています。
太田(TONE) ジェットスキーの選手や大会に工具を協賛しながら、活動をサポートさせて頂いています。そこで見えてきた事は、実は意外に「TONEという工具をご存じの方が少なかった」ということを肌で感じた1年だったということです。レース会場の横で商品を並べていますと、「TONEって初めて知った」「どこの国のメーカーですか?」などと聞かれました。当社はホームセンターにも卸していますので、認知度はあると思っていたのですが、意外にご存じなかったんです。また、設計部門や生産に関する方々は、実は“TONE”って知らなかったんです。JIMTOFに出展しましたが、ソケットレンチとシンプルトルコン、電動のトルクコントロールレンチなどを見られた方が「TONEさんってナットランナーも売ってるんだ」と言われました。ご存じない方はまだまだおられるんだなぁと言う事で、プロモーションを強化していきたいなと思っています。
―ベトナム工場が立ち上がります。
太田(TONE)今年6月には操業を始めます。トルクレンチ関係、いわゆる高付加価値の商品を製造します。そこで製造した製品は、海外で売っていきます。皆様に使って頂いて便利だと言って頂けるダイレクトセットタイプトルクレンチというのがありますが、そういう物をベトナムで作って海外に販売していきたいと思っています。単に海外進出ではなく、製販共に海外に力をいれる元年の年になると思います。
松田(三菱マテリアル)当社は、海外は、先進国を中心としたプレミアムマーケットと新興国を中心としたミッド~ローマーケットに二分されつつあると見ており、当社はプレミアムマーケットを依然として最大のターゲットと捉えていますが、ミッドマーケットにおいてもしっかり需要を取り込むように取組んでいます。その一環で、昨年タイにテクニカルセンターを設立しました。スペインにも既にあり、もっと増やしていこうと考えています。また販売拠点も増やしていきます。昨年7月にトルコ、中国・武漢、8月には青島にも作りました。新しくできた拠点をより早く機能させ、世界どこでも国内と同じサービスを提供し、拡販につなげていこうと考えています。
大西(昭和電機)現状、海外に出ている製品は30%位で、それ以外にもトランスで電圧を落としたりするので国内に販売しても海外に行っている物もあると思います。海外への対応として、昨年はASEAN中心ですが展示会に10回位出展しました。今年はASEANにヨーロッパも加えて15回位出展するつもりです。ここ2~3年は5%ずつ位しか海外が伸びてないので、もっと伸ばそう考えています。その中心になるのが2012年の11月に開設した昭和電機タイランドで、製品の部品などを全部置き、現地でメンテ等ができる体制はほぼでき上がっています。
―国内市場はどのように。
大西(昭和電機) 国内は、お客様にサービスを強化できる体制づくりです。配達等も含めて、営業マンが今まで忘れていたお客様に顔を出して、当社として何ができるのかを聞くんです。昨年から気付きチラシというのを作っており、販売店様からお客様に持っていって頂いて、熱い、寒い、うるさい、危ない、臭いなど、「困り事はありませんか」という切り口で、「そういう困り事を風を使って改善する機器のメーカーですよ」という切り込み方で配ってもらっています。今年も継続していきます。
紙上参加
― 昨年から営業組織を変えられました。
手崎(北越工業)
昨年、営業組織を建設機械と産業機械を統合させました。当初は営業マンもとまどいを感じていたようですが、それが軌道に乗ってきたかなと思います。
それぞれの営業マンに何を教えなければならないか、逆にいうとお客様に何を提案しなければならないかが分かってきたと思います。お客様によっては理解しにくい提案もあったかもしれませんが、どうやったらお客様に理解して頂けるか、お客様目線が定着しました。
カタログの見直しも行いました。組織変更、新モデル発売と同時に、お客様はどういったコンプレッサが欲しいのか、お客様のニーズに合わせて探し易く、屋外設置型などタイプ別に、出力別にコンプレッサを掲載し、斬新な形になりました。
4月からIE3モータ搭載機
設備用のシェア増やす
― 今年の見通しは。
手崎(北越工業) 今年は、工業会の需要予測で見ると、それほど伸びないと見ています。コンプレッサは工場のエア源として使用されています。しかし、工場自体は海外に移転しており、円安になってもすぐには国内に工場が戻ってこないと思いますので、工場の新設は少ないだろうと見ています。
だから、既存のコンプレッサの稼働状況を調べて、入れ替えればどれだけ節電に繋がるかなどのメリットを提案しています。お客様に対しては提案が全てだと思います。また、他社も屋外設置型を発売してきているので、強みのある土俵で勝負していきたいと思います。それがお客様に認知されてきており、夏場にオーバーヒートしてしまったケースなどで屋外設置を進めています。
― IE3モータへの対応は。
手崎(北越工業)かなり進んでいます。今年4月以降に順次発売予定です。
コンプレッサも増税と同じく駆け込み需要があるかと思いますが、いつの時期に来るのか分かりません。営業的にはこれからという感じです。
特に、工場設備用コンプレッサのシェアを上げたいと思います。
日本産機新聞 平成27年(2015年)1月15日号
TONEは、本社を同社最大拠点である河内長野工場に統合、移転した。9月26日から業務を開始した。 今回の統合により、開発、製造、営業企画、品質保証、管理の各部門と経営を一体化。部門間のコミュニケーション向上を図り、一層綿 […]
ツーリングメーカーのエヌティーツール(愛知県高浜市、0566-54-0101)は福岡県筑紫野市に九州事務所を開設し、九州地域での迅速かつ細やかなサービスを提供することで顧客の課題解決に応えていく。住所は福岡県筑紫野市原田 […]