アイデアを否定しない 「部で市場調査やプロモーションを重ね、ヒットを目指し、考えた新商品の企画を役員に認めてもらい実現すること」。ある商社の商品開発部(仮称)の部長は自らの責務についてそう話す。部の代表者として部下の夢( […]
気づき力を高める①【新連載:現場考】
まずは経験をすること
4月は機械工具業界も入社式シーズン。取材させてもらうことも多く、緊張したあいさつや、不安げに話す新入社員を見て、新鮮な気持ちに戻してもらえるのが楽しく取材に向かっている。もう一つの楽しみがトップの訓示を聞くことだ。
長年取材を続けていると、トップの訓示のトレンドは変わる。かつては組織の一員としての重要性を説く言葉が多かったが、近年は成長の場として組織を活用して欲しいなど「個」を重視する言葉が増えている。
トラスコ中山の中山哲也社長は今年の入社式で、重要な能力の一つとして「気づき力」を挙げた。どんなに高い能力があっても、気づくことがなければ先に進めないとし、気づく力を高めて欲しいと説いた。組織としても個人としても重要なことだと思う。
自身の経験からもそう思う。取材中に「これが大きなネタにつながりそうだ」とか、営業していて「広告提案ができそうだ」というのは、その瞬間に気づくかどうかだ。
では、この能力を高めるためにできることは何か。気づくポイントや視点が同じである必要はないし、異なるのが個性だと思う。気づき力を高める手段も人それぞれ。多くの人に会う、書を読むなど色んな方法がある。
経験を重ねることも大切な一つだと思う。新人時代、お使いのような立場で山善を訪問した時のこと。故中道眞蔵社長が偶然通りがかり「君はどこの子?」と言うなり、いきなり話を始めてくれた。内容は経済の話で、ほとんど理解できない。脇汗を流しながら、うなずくことしかできなかった。20分は緊張しっぱなしだった。
これに近いことは何度もあったし、知識不足で恥ずかしい経験を重ねるほどに「もっと勉強しなければ」と「気づく」ことができた。「いずれ中道社長と話ができるようになりたい」という目標もできた。経験することが気づくことの入り口なのかもしれない。
今回当コラムを担当させてもらうことになったが、身の丈以上のことは伝えられない。これからも自身の現場での体験を綴っていこうと思う。
日本産機新聞 2025年4月20日号
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