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機械・機器 主要5団体 今年の見通し
工作機械、ロボットなど主要機械業界の2015年需要見通しは、明るい数字が弾けた。想定以上の見通しが発表された団体では、新年賀詞交歓会の会場がどよめいたほど。それでも「押さえ気味」と言う声が多く、2015年は総じて明るい見通しになりそう。主要業界5団体は、前年実績比(一部12月の発表待ち含む)約4.7%増の見込み。2014年が前年同期比27.7%増と、リーマンショック前の好況に戻る景気の拡大があった後だけに、1桁台とは言え伸びは大きい。要因は、国内では、安倍政権の成長戦略の柱である「生産性向上設備投資促進税制」(略して生産性投資税制)が効果を表し、自動車産業はじめ航空機、半導体、一般機械産業が前年に引き続いて設備投資に積極的に打って出る。また、海外はアメリカと中国、アジア諸国が顕著な伸びを見せる。地球規模で見れば、政情不安やマイナス経済国などの要因が横たわっているものの、世界の製造業はホップ&ステップ、ジャンプの位置にある。
2015年の需要見通しを発表したのは、日本工作機械工業会(以下、日工会)、日本ロボット工業会(日ロボ)、日本鍛圧機械工業会(日鍛工)、日本工作機器工業会(機器工)、日本精密測定機器工業会(精測工)の5団体。今後、月末から3月上旬に掛けてユーザー団体の日本産業機械工業会や日本自動車工業会などが需要見通しを発表する。
5団体の見通しは、過去6年間の最高実績となる2014年を上回る勢いにある。中には「前年並み」と、する団体もあるが、マイナス見通しはない。「押さえ気味」にある。伸びの要因は輸出比率。海外市場をいち早く取り込んでいる団体はエネルギーの影響を心配しながら、「円安効果」が大きいとしている。
先ず強気の日工会。花木義麿会長(オークマ社長)は「2015年の受注額を1兆5500億円以上」とした。
14年の受注総額は1兆5093億円、前年同期比2.7%増で、注目は「以上」とした発言。最低限期待できる数字と見ている。
日工会の需要うちわけは、内需が4900億円、外需が1兆600億円。内需で5000億円台を期待する人が多い。また、外需1兆円超しは初の大台となる。
ちなみに、工作機械業界が設備投資・研究開発で最も影響を受ける、自動車産業は、ことし3月に需要見通しをまとめる(自工会)。トヨタ自動車は、「グループの世界販売台数を14年実績比1%(約8万台)少ない1015万台」とする計画を発表。生産計画では「3年連続の1000万台超し」としている。このため、同社は2013年度から見送ってきた「新工場建設の凍結解除は時間の問題」(豊田章男社長)と、再開する意向を示した。
また、自動車産業と両輪で日本経済を牽引する航空機産業は、ボーイング社とエアバス社の需要拡大気流に乗ってIHI、川崎重工業、三菱重工業、富士重工業の重工4社が揃って新工場建設、設備増強を進めている。このほか、日本建設機械工業会では、2015年度の出荷額を前年比1%増の2兆1329億円と予測している。
日ロボ、15%増
日ロボの津田純嗣会長(安川電機会長兼社長)は、ロボット生産額(目標)を前年比17%増の約7000億円とした。津田会長によると「2014年のロボット業界は、生産台数では過去最大となる見通し。15年は各種政策が本格的に動き出し、生産額は期待を込めて7000億円を目指したい」とした。
日鍛工、横ばい
日鍛工の八木隆会長(アイダエンジニアリング取締役常務執行役員)は、需要予想額を3150億円と、前年比横ばいとした。
うちわけは、プレス系機械が1450億円(前年比2%減)、板金系機械が1100億円(同6.8%増)、部品・金型・サービスが600億円(同6.2%減)。
背景は、国内は企業業績の改善で、設備投資や景気対策効果で更新需要が引き続き堅調。海外は、北米が好調を維持し、東南アジアのタイ、インドネシアが続くなどとしている。
機器工、15年度微増
機器工の寺町彰博会長(THK社長)は、前年度比「微増」とした。前年度が2013年の20%増、約1760億円で、その「微増」と見ている。輸出比率が、工作機械(約68%)のように高くなく、地産地消の影響を受けているものと思われる。
精測工、1000億円
精測工の吉田均会長(東京精密社長)は、出荷予測を1000億円とした。実現すれば08年の1195億円に迫り、リーマンショック前に近づく。
以上、機械工業5団体の2015年需要見通しは、明るさが「膨らむ」見通しにある。
日本産機新聞 平成27年(2015年)1月25日号
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