2026年10月7日(水)

ソディック 放電加工の工程を自動化、設計から加工まで一気通貫に

ソディックはこのほど、放電加工の工程全体を自動化するセミオートシステムを開発。同システムは、電極設計CAD、電極切削CAM、電極測定CAM、放電加工プログラムの作成がデジタル上で完結し、作成したデータはQRコードで紐づけされる。作業者がQRコードを読み取れば、サーバーから各工程で必要な自動プログラムが送られるため、測定や加工などの段取りが不要となる。放電加工で必要なデータが一気通貫で流れるため、工程間の作業伝達のロスを減らすことが可能だ。

同システムの一連の流れは、まず必要なCAD/CAMのデータを作成し、QRコードで紐づけ。その後、電極母材にQRコードを貼付し、3Dデータと実物を一致させるため、電極母材の高さを測定する。測定した後は、MC(マシニングセンタ)に電極母材をチャッキングする。作業者は電極母材に貼られたQRコードを読み取り、加工に必要なプログラムを呼び出すと、段取りなしで電極加工ができる。MCはソディック以外のメーカーも使用可能だ。

自動化システムの一連の流れ

加工した電極が狙った寸法通りになっているかを計測するための測定プログラムもQRコードから呼び出し、自動測定する。測定した結果はサーバーにフィードバックされ、放電加工プログラムに補正がかかる。放電加工の工程でQRコードを読み取ると、補正されたプログラムが呼び出され、自動で加工が完結する。「机上の測定結果を前工程の担当から聞き、手動で加工プログラムを修正するといった作業が不要になる。ある顧客では約35%作業時間が短縮した」(プロダクションイノベーションセンター 津田裕樹センター長)。

同システムは放電加工の工程を自動化するものであり、工程間のワークの移動を人が行う自動化となる。同社では、このような自動化を「セミオート」と定義する。ロボットなどの高額な設備を導入せずに始められるセミオートは、自動化のはじめの一歩として最適だ。「ロボットを活用した全自動(フルオート)は要件定義が必要。コストも高額となり、導入ハードルが高い。まずはセミオートによる自動化から始め、一定の成果が出てからフルオートを検討したほうが進めやすい」(津田センター長)。

同システムを利用する方法は大きく2つある。1つ目はシーメンスのNX上で稼働する「MOSTURN」を使用するケース。加工や測定などの各工程で使用するプログラムを全てNX上で作成できるため、一気通貫の操作性を持つのが特長だ。

2つ目はC&Gシステムズ(CGS)の「AIQ」をベースとした「AIQ‐MfgSemiAuto」を使用するケース。こちらはCAD/CAMに縛りがなく、NX以外を使用するユーザーも利用できるのが特長だ。

NX以外のCAD/CAMを利用する場合は問題があった。「電極測定のCAMを作る専用ソフトが存在しないため、測定部分が一連の流れから繋がらなくなってしまうのが課題だった」(津田センター長)。

そこで、ソディックとCGSが電極測定CAMを独自開発。基準面をワンクリックすれば測定できる専用ソフトを開発し、課題だった測定部分を統合。デジタルデータの一気通貫を実現した。AIQを使用するユーザーであれば、拡張機能として利用可能。また、「AIQ‐MfgSemiAuto」だけを導入することもできる。

今後について津田センター長は「システムインテグレーション能力などを磨き、無人運転を実現するフルオートシステムを提供できるようにしたい」と話した。

プロダクションイノベーションセンター 津田 裕樹センター長

日本産機新聞2026年3月20日号

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