2018年10月20日(土)

圧縮機、IoT化加速 稼働状況など監視

予防保全や復旧迅速に

 IoT技術を活用したコンプレッサのサービスが本格化してきた。日立産機システムや、北越工業、コベルコ・コンプレッサらが相次いで、コンプレッサに通信機能を搭載し、遠隔で稼働状況などをリアルタイムで把握し、予防保全などにつなげるサービスを開始している。将来的にはデータを蓄積・分析し、個別の省エネ提案につなげる狙いもある。IoT化の流れは加速しているが、工場運営に安定的な稼働が欠かせないことから、コンプレッサのIoT化が先行している。

 遠隔監視装置を内臓し部品交換時期などを予測できる

 日立産機システムは昨年5月、IoTを活用したクラウド監視サービス「フィットライブ」を開始した。主力機種の「NEXT3シリーズに通信機能を搭載。稼働監視だけのエコノミープランと、取得したデータをクラウドに蓄積したり、トレンドグラフ表示できたりするスタンダードプランを設定した。

 北越工業も昨年秋から、サービス子会社を通じ、これまであったメンテナンスサービスに付加する形で「グッドスマイルサービスプラス」をスタート。遠隔監視装置を内蔵し、稼働状況を把握し、部品交換時期などの予測ができる。稼働時間と年数に合わせて2つのプランを用意した。

 コベルコ・コンプレッサは今年2月からIoTサービス「コベリンク」を搭載した機種の出荷を開始した。通信機器を内蔵し、運転状況をリアルタイムで把握することで、日常点検の効率化や復旧時間の短縮につなげる。現在は主力機種への搭載がメーンだが、今後は搭載機種を広げる予定だ。

 こうしたサービスの目的は予防保全による操業の安定化や復旧時間の短縮だ。いずれのサービスも常に稼働を監視しているため、異常が発生した際、故障個所を特定しやすく、復旧の短縮化につなげられる。また、定期監視することで、メンテナンス時期も明確になり、保守計画を立てやすくなる。将来的には、蓄積したデータを分析するなどして、コンプレッサ1台ごとの省エネ提案につなげる狙いもある。

 一方で、普及に関して課題がないわけではない。それは既存設備への対応だ。ある商社幹部は「複数台制御している工場で1台だけ変更してもメリットは少ない。既設機に搭載できれば提案しやすい」と話す。このあたりはメーカー各社も考えており、日立産機システムでは「全てとは言えないが、対応できる機種には対応する」とし、コベルコ・コンプレッサも「既設機への搭載の可能性を検討していく」という。

 IoTに対応した機器は増加しているが、コンプレッサが先行しているとの見方は多い。その理由について、先の商社幹部は「コンプレッサは工場の心臓部で最も止めてはいけない機器。にもかかわらず専門要員がいないので、IoTの監視機能と相性がいい」と話す。今後についても「コンプレッサだけでなく、IoT化の流れは加速しているので、常に最新の動向をチェックしておく必要がある」としている。

日本産機新聞 平成30年(2018年)10月5日号

[ 日本産機新聞 ][ 製品 ][ 電動・空気工具 ] カテゴリの関連記事

トラスコ中山 最大の物流拠点<br>50万アイテムの「工具箱」

トラスコ中山 最大の物流拠点
50万アイテムの「工具箱」

プラネット埼玉本格稼働  トラスコ中山は10月1日、同社最大の物流拠点となる「プラネット埼玉」(埼玉県幸手市)を本格稼働させた。在庫を50万アイテム収容できるなど、日本最大の「工具箱」と位置づけ、さらなる物流機能の強化を […]

ニュース

日工会
18年工作機械受注額 1.85兆円に上方修正

 日本工作機械工業会(飯村幸生会長)は、2018年の工作機械受注額見通しを前年比12・4%増の1兆8500億円に上方修正した。達成すれば、1兆6455億円だった昨年に続き、2年連続で過去最高を記録する。内外需ともに投資意 […]

コノエ 「虹色のねじ」の動画制作

コノエ 「虹色のねじ」の動画制作

製造工程など紹介、今年中に公開予定  ねじ商社のコノエ(大阪府東大阪市、06・6746・1903)は、「虹色のねじプロジェクト」事業の一環として、ねじの製造工程などを紹介する動画を制作した(写真)と発表した。動画は虹色の […]

トピックス

関連サイト