2026年3月30日(月)

ツボサカ機鋼 異業種のコングロマリット【特集:機械工具販売店の新戦略】

機械工具販売店が積極的に新たな戦略を展開している。工作機械や工具、機器の需要の先行きが見通せず、その一方で人手不足に直面する。それらの課題を乗り越え、事業をさらに成長させていくためだ。独自の発想による新戦略でどんな力を高め、どんな成長戦略を描いているのか。

強み生かし合いシナジー創出

『串焼き、ホルモン、酒。姫路駅南口、赤ちょうちんが目印…』。兵庫県のFMラジオ「Kiss FM KOBE」で流れる居酒屋のCM。キンキンに冷えたビールとアツアツの料理を想像し喉が鳴る。お店の名前は「つぼさか商店」。ツボサカ機鋼が飲食事業で運営する店舗のひとつだ。

つぼさか商店は2021年、姫路駅にオープンした。飲食業界で経験があり壷阪康裕社長の学生時代の後輩が入社したことがきっかけだ。主力事業の機械工具販売とかけ離れた分野への事業進出とも思えるが、壷阪社長は「大きな効果を生んでいる」と話す。

地元姫路のユーザーの多くはKiss FM KOBEを聴いている。CMに加え、地元出身の人気DJもお店で楽しんだ思い出を時おり話す。「多くのユーザーが知ってくれていて、新規訪問したユーザーに話題のひとつとして切り出すとその場が和む」(壷阪社長)。

さらに23年に新たに加わったのが農業だ。知人が経営するトマト農園「石原農園」の事業を引き継いだ。栽培するトマトの一部は新規訪問する際、名刺代わりに持参する。突然の訪問の製品PRは敬遠されても、生活に身近なものだとユーザーとの距離感が近づく。

ツボサカ機鋼はこのほかに5つのグループ会社を持つ。ボルテックは専用機械の設計・制作、寺西工業はそれとその施工、TGテックは切削加工機による部品加工を手掛けている。インドネシアとタイそれぞれの法人は現地で機械工具や工作機械を販売する。

異業種の事業は密接につながりあう。仕入れや販売でそれぞれの強みを生かす。課題を共有し解決へと取り組む。勉強会を共に開き、人手が足りなければ出向する。壷阪社長は「グループで情報と技術を共有している。社員が理解し合い、協力し、刺激し合う。相乗効果が生まれている」。

壷阪社長が経営のバトンを受けた2002年、事業はツボサカ機鋼の機械工具や工作機械の販売のみで年間売上高は約12億円だった。しかしグループ企業を増やし多分野に展開することで事業を伸ばし、現在グループ全体の年間売上高は約50億円だ。

壷阪社長は、「ボルテックを初めに加えた時、今のグループの形は想像していなかった。1社ずつ事業を承継し成長させていくことを重ねるうちにシナジーを生む異業種のコングロマリットになった。これからもその強みをさらに磨き、グループで成長していきたい」。

壷阪  康裕社長

本  社: 兵庫県姫路市北今宿1‐6‐26

電  話: 079・297・1071

代表者: 壷阪康裕社長

設  立: 1970年

従業員: 35人(グループ90人)

事業内容: 工作機械や機械工具の販売をはじめ、グループ会社で専用機械の設計・制作・施工、部品加工、海外での機械工具販売、農業、飲食などの事業を展開する

日本産機新聞 2025年8月5日号

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