2025年11月28日(金)

帝国チャック 寺坂  創介社長インタビュー「創業100年の想い」

NC旋盤用チャック、研削盤のダイヤフラムチャック、マシニングセンタのシリンダ内蔵チャックなど最高の機能と品質を持ち併せた特殊仕様『デザインチャック』を手掛ける帝国チャック(大阪府八尾市)は創業100周年を迎えた。自動車を中心に一品一様のデザインチャックで顧客の課題に応えてきたが、直近は自動車産業の変革、EV化など時代の変化で新たな局面を迎えている。寺坂創介社長は次の100年を見据え、今まで以上の協力関係を強調した。

短期間に山あり谷あり/共に力を携えながら今後も発展に努力

寺坂  創介社長

創業100年を迎えて。

大きな区切りの100年ではあるが、会社がこれからも長く続けていけるように、気持ちを新たにする機会になればと思っている。

100年続く秘訣は。

やはりお客様のためにちゃんと顧客対応をやっていくこと。たとえ商品を売らなくてもアドバイスをしたり、メリットになることを提案する。困り事に対し、柔軟な発想で真摯に取り組み、課題解決することが当社のモットーだ。

振り返って、転機だったと思うことは。

転機というか、良いポジションにいたと思う。努力もあったが、運も良かった。過去には会社が傾いて倒産しかけたこともあったと聞いているが、何とか踏ん張り今日でも営業を続けられている。実際、同じ業界では倒産してしまった会社も多く、やり方というより時代の問題という側面もある。努力だけでは乗り越えられない国の方針や情勢もあるわけで、それを乗り越えてきたことは、少なからず強い運があった。

日本の自動車産業がこれほど成長し、日本車が世界中を走り回り、国の基幹産業として世界中に工場を構えることを、昔の人は想像できなかったのではないか。

2017年に社長就任した頃は。

就任直後はこの四半世紀を切り取っても例を見ないほど繁忙を極めた。売上も現状の倍近くあり、受注しても納期が間に合わず、どのように生産性を上げるか、協力してくれる加工屋さんを増やすか、従業員の残業や休日出勤をどう抑制するかなど多くのことに苦心した。

それが米中貿易摩擦で様相が一変し、絶頂から急転直下で落ち込んだ。今度はどう仕事を確保するか、外注先への仕事量を確保できるか、短期間で山あり谷ありの状態で、コロナ禍に入ると前例のない判断も多く、この時期は貴重な経験になった。

次の100年は。

代理店や特約店などの各社、お客様、協力工場の皆様のおかげでここまで来た。次の100年に向けて激しい時代の変化に取り残されることなく、当社が発展するにはこれまで以上に関係各社の皆様の力が必要。共に力を携えながら、社会と会社の発展に寄与できるよう社員と共に努力したい。

てらさか・そうすけ

1970年生まれ、大阪府出身。93年龍谷大学法学部卒業後、96年同社入社。2002年に取締役、10年常務取締役、12年専務取締役、16年代表取締役副社長、17年代表取締役社長に就任。

日本産機新聞2025年11月20日号

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