2026年11月2日(月)

ユアサ商事 機電本部 碓井  利宏本部長に聞く労働安全市場の展望【特集:提案広がる労働安全】

商品や提案の幅広がる/安全対策への投資意欲強く

「労働安全に関する需要は年々高まっている」。そう話すのはユアサ商事で、工具や安全対策商品を扱う機電本部の碓井利宏本部長。背景にはデジタル技術の革新による提案商材の拡大や、ユーザーの意識の変化、人手不足があるという。「労働安全はコト売りの重要なテーマの一つになっている」とも話す同氏に、市場動向や、需要拡大の背景、労働安全対策をどのように提案すべきかなどについて聞いた。

碓井  利宏本部長

労働安全に関する市場をどう見るか。

当社でも明確なセグメントがあるわけではないが、市場は拡大している。例えば熱中症対策。酷暑だけが原因ではない。6月の法改正で、熱中症対策の体制整備などが義務付けられたことで、これまで以上に投資を積み増すユーザーは増えている。

最も災害事故で多い転倒防止に関する商品や、腰痛対策のアシストスーツなどの需要も強い。デジタル技術革新も進み、対応製品が広がっている。

どのようなものか。

当社が扱うNTT東日本のウェアラブル端末は最たるものだ。脈拍がしきい値を超えたり、加速度センサーによって転倒したりするとアラートを出したりできる。これまで価格で敬遠されることが多かったが、数千万円単位で購入するユーザーも出始めるなど、明らかに伸びている。

市場が拡大する背景は。

「社員を守ることが企業の重要な使命」と考えるユーザーが増えていることが大きい。その根底には人手不足がある。安全対策を進めないと選ばれる企業になれないからだ。

加えて、女性や海外人材、高齢者が現場で作業する機会が増え、作業に不慣れな社員も安心して働いてもらえる環境づくりを真剣に考えなけれ
ばならない状況になっている。安全対策は喫緊の課題の一つになっている。

どう提案すればいいか。

どうすれば働きやすい環境を提供できるかという視点で考える必要がある。熱中症対策もそうだ。スポットクーラーを提案するのは、あくまで一つでしかない。労働環境の改善と考えれば、ウェアラブル端末のような商材や空調全体の見直しなども提案できる。

いまや安全対策は「コト売り」の重要なテーマの一つだ。自動化も安全対策とも言える。人手不足対策の面は強いが、機械化して危険を減らすと考えれば、それは安全対策だ。「安全」という目で現場を見れば、単品商売ではなく、もっと提案の幅を広げることも可能だ。

日本産機新聞2025年8月20日号

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