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航空機部品メーカー・オオナガの取り組み【特集:航空機産業-アジアの需要を掴む-】
ベトナムの格安航空会社(LCC)がボーイングに200機を発注するなど航空機の需要が急拡大しているベトナム。旺盛な航空機の需要増に合わせ、欧米の航空機や部品メーカーが現地でのサプライヤー開拓を進めている。ベトナムで航空機部品の加工を手掛けるオオナガは現地企業と協力し、独自のサプライチェーンネットワークを構築。部品の機械加工から品質保証までを一貫して対応できる新たなビジネスモデルの構築に挑んでいる。
今年11月下旬、ベトナム国内のLCC最大手ベトジェットエアがボーイングから初号機「B737-8型」を受領した。2028年までに50機を導入予定で、トータル200機を発注している。こうした需要増に合わせ、欧米の航空機や部品メーカー、日系部品メーカーがコスト競争力の強化や現地の産業振興を目的に、現地企業のサプライヤー開拓を急いでいる。
こうした旺盛な需要を取り込もうとしているのが、日本国内やベトナムで航空機部品の加工を手掛けるオオナガだ。同社は1978年に神戸市長田区で旋削加工メーカーとして創業。現在は航空機エンジンのギア部品や、ランディングギア部品など航空機部品のほか、建機部品の加工なども手掛ける。
チタンやインコネルなどの難削材の丸物ワークを10μm以下の精度に仕上げる技術力が強み。航空宇宙防衛品質マネジメントシステム認証「JISQ9100」を持ち、大手重工メーカーから航空機部品の加工を受注している。

そんな同社がベトナムに進出したのは22年。中国で建機部品を手掛けていたが、コロナ禍で中国依存のリスクを軽減するため「オオナガベトナム」を設立した。当初は建機部品を加工する計画だったが、22年にベトナムで開かれたボーイング社のフォーラムへの参加がきっかけで、航空機部品の加工に参入した。ベトナムでサプライヤーを開拓したい欧米の部品メーカーの目に留まり「現在は一部の部品の採用に向けて進めているところだ」(大長勝社長)という。

ただ、同社が描くのは日本国内のように部品の機械加工を手掛けるだけではなく、「部品単位で一貫生産できる体制を構築すること」。部品の加工を請け負うだけでなく、品質保証までを行い、完成品として供給する。「部品加工だけではいずれコスト競争になってしまう」ためだ。
しかし自社だけで全ての機械加工工程に対応するのは難しい。そこで、ベトナム企業5社とサプライチェーンのネットワーク構築を急いでいる。機械加工の大半を現地企業に任せ、オオナガはメッキ、表面処理、塗装、非破壊検査及び品質保証など特殊な工程を担う計画だ。「ただ現時点では、日本のように高精度に機械加工できる現地企業はない。航空宇宙や防衛産業向けの品質マネジメントシステム『AS9100』の認証取得に向け現地企業をサポートしている。今年中には協力先の2社はすでに登録される見込みだ」と言う。

一方、オオナガベトナムでは一部の特殊な機械加工は行うものの、表面処理やメッキ装置、非破壊検査機などを導入し、最終的な品質保証を行う。そのために、補助金などを活用して3億円かけて設備を投資した。
ただ、同社にとって初めての分野のため、社内に知見があるわけではない。「非破壊検査はベトナムに進出しているアメリカの顧客に検査員の教育をお願いしているほか、メッキや表面処理については外部機関の協力を得てNADCAP(国際航空宇宙産業における国際的な認証制度)の認証取得に向けて準備している」。
ベトナムでは機械加工にとどまらず、部品単位での一貫生産から品質保証までを目指すオオナガ。将来は「ベトナムで得た一貫生産できる知見を日本国内でも提供できるようにし、新たな需要の開拓につなげたい」(大長社長)。

日本産機新聞2025年12月20日号
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