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特別企画 JIMTOF2016
工作機械業界 オピニオン2氏に聞く
JIMTOFの魅力
今回のJIMTOF2016では、工作機械や機器、工具の進化はもとより、IoT(モノのインターネット)や積層造形加工(アディティブマニファクチャリング=AM)など、これまでの延長線上にはない、ものづくりの新潮流が示される。ものづくりが変化するなか、機械や工具の販売を通じ、製造業を支える機械工具商社は何を見て、どこに注目すべきか。本紙ではJIMTOF開催に合わせ、主催者の日本工作機械工業会の花木義麿会長と、日本工作機械販売協会の冨田薫会長にそれぞれの立場で今回のJIMTOFの見どころを聞いた。花木会長は「IoTやAIによる『つながる工場』やハイブリッド工作機械の進化」などが注目だと話す。また、富田会長は「モジュールマシン、航空機産業、5軸マシニングセンタ、金属3Dプリンタ、IoT」という6つのキーワードを掲げた。
機械へのニーズ多様化
製販一体で需要開拓
―今年で28回目を迎えます。
「今回のJIMTOFでは、東京ビッグサイトが東新展示棟を新設し、会場の面積が10万㎡にまで拡張しました。JIMTOF2016は日本をはじめ、世界21カ国・地域から過去最高の969社が出展し、5518小間という史上最大規模での開催となります」
―海外出展社も多いです。
「海外出展社が前回から6割増の143社483小間となり、国際見本市としてのプレゼンスも大きく向上するはずです。海外からの来場者数も前回のJIMTOF2014で初めて1万人を突破しましたが、今回はそれを超える国際色豊かな開催となることを期待しています」
「また、東新展示棟の東8ホールには、これまで課題だった休憩施設やインターナショナルラウンジなどの増設や、仮設レストランを設営するなど、アメニティ面も充実します」
―今回の見どころは。
「JIMTOFは、潜在的な設備投資の需要を具現化する千載一遇の好機です。出展各社は、『ここから未来が動き出す』の開催テーマの下、製造業の未来を切り拓く技術と製品を提案するでしょう。そのなかでも、IoT (モノのインターネット)やAI(人工知能)の進化によって、工作機械やロボットなどがインターネットで接続され、稼働状況・加工プロセス・製造工程の最適化を図る『つながる工場』を実現する技術が数多く提案されるはずです」
―他にはどんな展示が見られそうですか。
「前回展で注目された、切削加工と積層造形加工(アディティブ・マニュファクチャリング)を融合したハイブリッド工作機械の進化にも期待しています。さらに、ロボットを駆使した自動化・無人化技術や、知能化を進化させた5軸制御マシニングセンタ、ターニングセンタ、複合研削盤なども見どころでしょう」
―日本の工作機械産業が、今後さらに発展していくための課題はありますか。
「日本の工作機械産業を取り巻く環境は劇的に変化する局面に差し掛かっています。技術面では、IoTやAI、アディティブ・マニュファクチャリング、自動化などをはじめ、先端技術の開発競争が絶え間なく続いていくでしょう。一方、市場や需要面では、新興国の台頭により製造業のグローバル化が進展し、ユーザー層は従来の欧米やアジア諸国から全世界に広がっています。また、環境対応車へのニーズや、航空機産業、先端医療分野市場に成長が見込まれています。さらに雇用面では、日本をはじめ、多くの先進国で問題となっている少子高齢化が進み、人材の確保・育成への対応が求められています」
―そうした課題に向けて、工業会として取り組みはありますか。
「当工業会では将来にわたって世界のものづくりの発展に貢献していくため、中期的な視点から取り組みを進めています。昨年7月には産学官の英知を結集した『加工システム研究開発機構』を設立しました。この機構を通じて、先端技術開発、標準化戦略の強化、技術人材の国際交流事業を進めています」
―商社や販売店に期待することはありますか。
「工作機械ビジネスは多様化しており、かつ専門性も高まっています。全世界のユーザーに最適なソリューションを提案していくことが求められています。また、海外におけるアフターサービスや販売体制の構築などでは、現地企業とのアライアンスを進める交渉力も必要になります。しかし、こうした変化は新たなビジネスチャンスでもあります。工作機械メーカーは、商社や販売店の皆様と共に、製販一体となって世界市場での需要開拓に邁進します」
次代の技術感じる場
6つのキーワードに注目
―今回、注目しているものを教えてください。
「私にとってJIMTOFは、『最先端の方向性を感じる場』です。今年のJIMTOFでは、6つのキーワードに注目しています。それは、モジュールマシン、航空機産業向け、5軸マシニングセンタ(MC)、金属3Dプリンタ、スカイビング加工、そしてIoTです」
―モジュールマシンとは。
「幅や奥行きなどのサイズが同じで生産ラインの変更が簡単に行える機械のことです。自動車産業と関わりの深い工作機械ですが、多品種少量なワークを加工することが増えた自動車産業では、こうしたモジュールマシンや、汎用専用機と呼ばれる工作機械の需要が高まっています」
―航空機産業は成長分野として注目されています。
「大物加工に対応した大型機種や、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、チタン、インコネルなどの難削材、インペラのような複雑形状など様々な加工提案が見られるかもしれません。国内ユーザーも航空機産業向けの開発を進めており、今後も技術革新が進むはずです」
―5軸MCや金属3Dプリンタなどは過去に注目を集めました。
「5軸MCや、金属3Dプリンタ、スカイビング加工は、前回からどう進化したのかが見ものですね。5軸MCは、高精度機種か、低価格で使いやすい機種に分かれています。5軸のスキルが無くても扱うことができて、また導入しやすい価格の機種が登場し、5軸MCのすそ野は広がっています。また、スカイビング加工や金属3Dプリンタも前回に比べ、実用的な機種や提案が見られると思います。こうした技術の進化によって、今までできなかった新しいことに挑戦できる可能性が広がっていくでしょう」
―ITを活用した新技術はいかがでしょうか。
「IoTは、確実に今回の目玉になるでしょう。正直、どの程度の提案を各社がするのかは分かりません。ただ少なくとも、ユーザーは『いかに稼働率を上げるか』を求めています。機械にセンサを付けて稼働状況を監視したり、予防保全に活用したりするのはそのためです。こうしたユーザーのニーズに応える提案を各社が様々な形で披露するのではないでしょうか」
―今後、工作機械産業を取り巻く環境はどうなっていくでしょうか。
「今後の製造業は、生産コストを低減するために、半~全無人化のニーズが高まっています。商社としてそのニーズに応えるには、機械や工具単体ではなく、ラインやシステム化の提案が不可欠になります。そうした案件をいかにうまくまとめ上げるかが商売に繋がっていくはずです」
―海外市場はいかがでしょうか。
「新興国を中心とした海外市場は拡大が期待され、需要を取り込んでいかなければなりません。これはあくまで私見ですが、将来的に日本の工作機械市場は年間2000~4000億円規模に縮小すると見ています。その代わりに、海外市場が1・5~2兆円まで拡大すると見ています。中国や東南アジア諸国をはじめとしたアジアといかにリンクしてビジネスをやっていくかが、将来に繋がっていくはずです」
―そのために必要なことは。
「当協会では、こうした変化に対応するために、会員企業に国内外での『売る力』をつけてもらう営業の教育に力を入れています。勉強会や、機械メーカーとの交流会など様々なイベントを開き、営業力強化に取り組んでいます。ぜひ、先端情報が集まるJIMTOFもこの『売る力』の強化に活かしてほしいです」
日本産機新聞 平成28年(2016年)11月15日号
TONEは、本社を同社最大拠点である河内長野工場に統合、移転した。9月26日から業務を開始した。 今回の統合により、開発、製造、営業企画、品質保証、管理の各部門と経営を一体化。部門間のコミュニケーション向上を図り、一層綿 […]
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