2026年5月25日(月)

【特集:新時代の食品工場】吉野家HD(はなまる)、1時間で8000食以上の生麺製造能力を確立

袋詰めなど後工程を自動化して従来比2・5倍の生産性を実現

吉野家ホールディングス(HD)の子会社で全国420店舗以上の「はなまるうどん」を展開するはなまる(香川県高松市)。その全国の店舗に生麺を供給する1つが吉野家HDの千葉工場だ。10年前からさまざまな自動化を進め、完全オートメーション化に成功。「1時間で8000食以上の生麺を生産でき、生産性は2・5倍になった」(商品本部の吉川直樹副本部長)という。効果的だったのが掴みづらい生麺の搬送や箱詰めなどの後工程の自動化だ。同工場の取り組みを取材した。

はなまるでは5つの工場から全店舗に生麺を供給するセントラルキッチン方式を採用している。生産を担う一つが親会社の吉野家HDの千葉工場で、東京以北から青森までの店舗に供給する。生産するのは、はなまる向けの生麺のほか、関連企業向けにパスタやラーメンを製造している。

生麺の製造工程は①小麦粉と塩水を混ぜる②熟成③練る④熟成⑤伸ばす⑥切断⑦計量⑧格納(袋詰め)⑨パレタイズの流れで出荷される。「切断まで機械化されていたが、以降の工程は人が担っていた」(吉川副本部長)。

自動化しづらかったのは、生麺のハンドリングが困難なためだ。「生麺は柔らかく、触ると常に形状が変化する。人だと簡単に適量の計測や搬送ができるが、機械やロボットにその作業を代替えするのは難しかった」。

中でも、厄介な工程の一つだったのが「格納」と呼ばれる定量の麺を袋詰めする作業。従来は人が計量し、袋詰めしていた。それを「格納機」という装置を機械メーカーと共同で開発し、自動化に成功した。

生麺の袋詰めと計量を集約した装置

切断した麺をコンベアで移動させながらふるい落とす。麺を受け取る容器側には計量機能を設け、定量になれば移動する仕組みにした。これにより、格納と計量の2工程を1つに集約した。

もう一つ困難だったのは袋詰めした麺を段ボールに箱詰めする作業。袋詰めしていても生麺は柔らかく掴みづらい。「何度も工夫を重ね、真空チャックで掴む機構にし、速度やコストを考慮し、搬送にはスカラロボットを採用した」。ほかにもパレタイジング作業や段ボールの組立もロボットで自動化した。

袋詰めした生麺を自動で搬送   

こうした工夫を重ね、製造ラインに30人以上いた従業員は今では1人に。「1時間8000食以上の生産が可能になり、生産性は2・5倍になった」(吉川副本部長)という。

現在は千葉工場の取り組みを進化させたラインを静岡工場で構築中だ。吉川副本部長は「自動化の狙いは生産性の向上、コスト削減だけではない。人だと作業にばらつきがあるため、高品質な商品を安定供給するにも欠かせない。そして、その工夫には終わりはない」とし、さらなる生産性向上を目指す。

吉野家HD 千葉工場

住  所:千葉県佐倉市井野1460-1

電  話:043・460・0870

従業員:35人(パート30人)

事業内容:はなまる向け生麺、関連企業向けパスタ、ラーメンの製造など。

・「【特集:新時代の食品工場】食品産業へ提案を強化する機械工具販売店・疋田産業の取り組み」はこちら

・「【特集:新時代の食品工場】食品産業に貢献する注目4社の製品」はこちら

日本産機新聞2026年5月20日号

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