2026年10月7日(水)

OMJCリレーインタビュー をくだ屋技研 常務取締役
(OMJC理事)奥田 智氏

次世代の経営者に必要な資質は?

恐れずに飛び込む勇気

奥田智氏
 1974年生まれ、広島県出身。中学卒業後米国ユタ州の高校。芸術学校、ブロンズ像制作会社を経て、96年をくだ屋技研マレーシア工場に。本社、中国工場を転任し、12年常務取締役。趣味はボルタリングと音楽。好きな言葉「温故知新」。尊敬する人は自身と妻の父(永江憲男氏、奥田均氏)。
  次世代の経営者に必要なこと。それは新しいことに恐れず飛び込める勇気じゃないでしょうか。目標を叶えるために乗り越えないといけないこと。未知の能力を引き出してくれそうなこと。そういったことに出会ったとき、怯まず挑戦する。「まずやってみる」姿勢が大切だと思うんです。

 こんなことを言うと「情報化の時代に逆行している」と思われるかもしれません。今はネットや様々な媒体で「やってみる」前に情報を集めることができる。ビッグデータをも事業指針に生かす時代ですから。IT技術などによる情報収集と分析は、現代の企業経営において極めて重要です。

 けれど、バーチャルな情報を信じすぎると、いかにも知った気になったり、情報に振り回されたり。進路を決める大事な場面で判断を誤る可能性があるのではないかと思うんです。会社の事業で想定通り進むことはまずありません。思い描いていたようにいかないこともあれば、予想外にうまくいくこともある。やってみないとどうなるか判らない。

挑戦が次の道拓く

 そう思うのは、次々と置かれる環境が変わり、そこでやっていくしかなかった私の経歴が関係しているのかもしれません。私は中学卒業後、故郷の広島を離れ米国の高校に進みました。その後日本に戻り大阪の芸術学校、初めての仕事は北海道のブロンズ像制作会社に勤めました。そして大学で出会った妻(暢子さん)の父・奥田均会長(当時社長)が経営するをくだ屋技研でマレーシア、中国、日本本社と転任しました。

 初めて海外で生活した米国では、言葉が通じず文化の違いにとても苦労しました。ブロンズ像制作会社では、私の芸術への考えと会社でできることとのギャップに戸惑いました。マレーシアや中国の工場では、現地の人たちと協力して働くことや新工場立ち上げの難しさを体感しました。

 そこで学んだのは、やってみないとどうなるか判らない、チャレンジして体験したことが必ず新しい道を拓くということ。やってみれば成功もするし失敗もする。そのどちらにしても一つの体験として身につき、長所や短所、取り組むべき課題が見えてくる。そして挑戦し続け、体験を重ねることで必ず新しい道が拓いていく。だから「やってみる」ことがとても大事だと思うんです。

 けれど、これまでの道のりは、全て自分で選び、乗り越えてきたわけではありません。妻をはじめ家族や均会長、林正善社長、国内・海外の当社の仲間たち、お取引先やOMJCといった周りの人たちが手を差し伸べ、導いてくれた。ですから、これからは私も若い人たちを導いていくようにしないといけない。いきなり茨の道では辛いでしょうから、踏み外さないくらいの道を照らしてあげたいと思っています。



 ※OMJCリレーインタビューは前走者が次走者にインタビューのテーマを投げ掛け、バトンをつないでいきます。次回は、昭和電機・取締役営業本部長の柏木健作氏。前走者・奥田氏の質問は「海外展開で心掛けることは?」。


日本産機新聞 平成28年(2016年)8月5日号

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