2025年11月19日(水)

「できる仕事」は部下に【現場考】

指導経験積む時間つくる/業務過多を解消するには

目標を目指す営業が面白くて、熱中するうちに成績上位の常連になった。実績が認められ、20~30歳代で課やチームのリーダーに抜擢される。いわゆるプレイングマネージャー。業務をこなし、課の成績も求められる。肉体的にも精神的にも余裕がない。そんな管理職は多いのではないだろうか。

大きな原因は人手不足。小さな会社は昇格で変わるのは肩書だけということがよくある。中小企業が大半の機械工具販売店はこのケースが多い。

管理職の業務過多を解消するにはどうすればいいか。社員50人の販売店の営業課長は、業務の量を無理にでも減らすことという。要・不要をゼロベースで考え、ムダを省く。会議のやり方、生きた資料のつくり方を考える。手際が悪いだけで本当に業務過多なのかどうかを考えることも必要だ。自分にしかできない仕事以外はできる限り部下に渡す。それまでの習慣に縛られず大胆にする方が良いという。

業務が増えた部下はどうなるか。最初のうちは翻弄されながらも、その経験が成長を促すという。多くの業務をこなせるようになり、対応できる幅も広がる。常に「本当にこのやり方がベストなのか」を考え、改善を繰り返せば時間の余裕もできて、さらに仕事量を増やすことができる。そうした経験が組織の成長も早める。

管理職にも余裕ができる。部下の働き方や、担当する組織の士気、人間関係を見ることができる。部下の相談にもたっぷり時間をかけられる。指導に使える時間が増え、組織の仕事も速やかに回るようになる。

それを判っていながら仕事を部下に渡せない。「目標達成への責任感」、「部下の未熟さ」、「自身の営業への執着」。そうした使命感や葛藤が邪魔をする。部下の特性を見極め、適材適所に仕事を配分することが部下・組織を成長させ、自身の管理職としての力を伸ばす。

日本産機2025年11月5日号

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