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精工産業「測定の立ち上げ迅速化支援」【特集:激動の時代に挑む販売店】
測定受託で需要開拓/新規の契機にも
機械工具や非鉄金属を扱う精工産業は今年7月、ユーザーの測定業務などを請け負う「計測技術室」を立ち上げた。協力先工場の測定業務の負担軽減を目的に開始したが、新規開拓の契機や、ユーザーの測定機器の立ち上げ迅速化につなげている。将来は事業の柱の一つに成長させる考えだ。

神奈川県にある協力先工場の一角に、約6000万円かけて、ミツトヨの三次元測定機や真円度測定機、形状測定機などを導入した。ユーザーからの測定業務の受託や測定プログラムだけの作成も請け負う。
測定技術室として独り立ちしたのは今年7月だが、プロジェクトの開始から約3年で、「数百件以上の部品を測定して知見を高めた」(鈴木浩司常務取締役)という。
その効果は着実に出始めている。「測定業務がボトルネックという工場は多いが、測定を受託する企業が少ない。『測定だけお願いしたい』という要望が強く、付き合いのない顧客から問い合わせが来るなど新規開拓の契機になっている」という。さらに「一度使って頂くと、リピート率も高い」。
ユーザーの測定機の立上げの迅速化にも役立っている。「購入前にプログラムの作成や操作方法などの検証ができるので、購入後すぐに測定機を活用頂けることもメリットだ」という。
そもそものきっかけは協力工場の測定業務がボトルネックになっていたこと。同社では、歯車などの部品を協力工場に依頼して販売する業務を手掛けている。「その工場では測定技能者や設備不足で測定が遅れがちになっていた」(鈴木常務取締役)という。
「当社で測定ができればその負担が減るし、受託して販売する部品の品質向上にもつながる」と考え、2021年にプロジェクトを開始した。
しかし、測定機があれば測定ができるわけではない。そこで技術的な適性がありそうな営業を専任として指名。ミツトヨに協力を依頼し、3カ月間研修を受け、プログラムの作成も学んだ。
こうしてスタートした測定受託だが、ユーザーのニーズは拡大している。最近では試作部品・治具製作のために3Dプリンタを導入。「リバースデータエンジニアリングも実績が増えており、そちらの受注増も狙いたい」という。
今後について「測定の受託という事業のポテンシャルは大きい。まずは北関東にも拠点を持ちたい。いずれは他部門以上の規模にして、事業の柱の一つに育てたい」(鈴木常務取締役)。

本社:東京都中央区日本橋本町4-8-16
電話:03・6262・5667
代表者:小菅治男氏
創業:1939年
従業員:70人
事業内容:非鉄金属、機械工具の販売など。
日本産機新聞2025年10月20日号
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