2025年10月13日(月)

開幕まで1週間 各展示館の見どころを紹介【特集:MECT2025】

人手不足や効率化提案

過去最大規模となる「メカトロテックジャパン2025」。工作機械や切削工具、工作機器、測定機器、ソフトウェアなどの最先端技術が一堂に集まる。人手不足への対策が喫緊となる中、自動化や省人化、工程集約などの技術が多数披露される。また、AIやデジタル技術の活用など進化した新技術も多数登場する。以降では、展示館ごとに見どころを紹介する。

第1展示館

第1展示館は工作機械の出展がメイン。マシニングセンタ、複合加工機、研削盤、放電加工機などに加え、3Dプリンタやレーザー加工機などの新製品が並ぶ。CAD/CAMや生産管理などソフトの新製品も出展する。

人手不足への対策として、多くの機械メーカーが掲げるのが「自動化」。ロボットをビルトインした工作機械や、プログラム作成が不要で、比較的簡単にロボットを使った自動化ができるなど多様なロボット活用の提案がみられそうだ。

AIを使い、機械温度や加工状態を自動で安定化させる技術や、機上計測の新技術、デジタル上で段取りすることで、段取り回数を減らす手法など多様な自動化技術が披露される。旋削や研削機能をあわせ持つマシニングセンタなど「工程集約」による生産性向上をテーマに掲げる企業も多い。

成長が期待される半導体や航空機、エネルギー関連向けの展示が増えそうだ。航空機やエネルギー向けでは、5軸や複合加工機などの複雑ワークに対応する機械のほか、チタンやインコネルに代表される難削材を効率よく加工できる機械が多数展示される。 半導体関連では、セラミックなどの脆性材や樹脂向けの加工技術が披露される。

加工プログラムの大半を自動で作成できるCAMなど、多様なデジタル技術が多数紹介される。業務の標準化を支援するツールや、類似図面をAIで検索できる技術なども展示される。第1展示館には、中小・スタートアップゾーンが新設されている。

第2展示館

第2展示館は切削工具やツーリングなど切削加工に関するツールの展示がメイン。超硬やハイス工具のほか、微細加工に特化した製品や鋸刃、ダイヤモンドなど多彩な工具が出展される。

中でも注目されるのが、自動車産業はもちろん、半導体関連や航空機、医療など成長が期待される分野向けの切削工具だ。自動車では、複数部品を一体で鋳造する「ギガキャスト」に代表される大型部品を効率よく加工するための切削工具や、ロボット切削などの技術が披露される。

航空機や医療分野ではインコネルやチタンなどの難削材向け工具が目立つ。半導体製造装置関連や電子部品などで増える小型自動旋盤向けの工具の新製品や、セラミックやガラスなどの脆性材や樹脂部品向けなどの工具も展示される。

切削工具でも人手不足対策や省人化を意識した展示が目立つ。工具を管理や工具選択を支援する提案が増えそうだ。

自動販売機などの機器を使い、工具の入出庫を管理することで、在庫管理の手間などの削減を支援する提案や、工具補正や工具の所在管理、機械稼働監視、加工ノウハウの蓄積をサポートするソフトウェアなども展示される。また、素材や形状などの必要な情報を入力するだけで、ワークに応じた最適な工具選択をアシストするアプリケーションなどの展示も多い。

第3展示館

第3展示館は、治具、測定機器、直動案内やベアリングなどの機械要素の最新技術が披露される。工場環境の改善機器や、労働安全などに関する製品も多数紹介される。

旋削・切削をワンチャッキングで可能にする円テーブルや、加工の自由度を高める薄型チャック、自動化対応のワークチェンジャーの新製品などが発表される。工具不要で着脱できるクランプや、異形材、円筒材などさまざまな形状に対応するクランプなども登場する。

「測る」技術が多数登場するのも第3展示館。内部構造の検査や測定が可能なⅩ線CT装置の新製品が出展される。高精度に工具摩耗を検査できる工具測定装置など、測定が難しいとされてきた分野の技術が発表される。

測定機の堅牢性を高めたことで、恒温室などがなくても、現場で高精度な測定を可能にする技術なども紹介される。測定したデータをどう管理するかなどのデータ活用の方法も抑えておきたい。

ベアリングや直動案内、歯車など、工作機械やロボットの自動化を支える要素技術が出展する。高速・高品質な部品はもとより、通信機器を搭載し、部品の稼働状況などを「見える化」できる製品なども多数展示される。

環境改善、安全に関する展示が多いのも第3展示館。商社の出展が多いのも特長だ。複数のメーカーの製品を組み合わせた自動化システムや、ニッチなニーズに対応するプライベート商品の展示も見逃せない。

日本産機新聞2025年10月5日号

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