日本半導体製造装置協会(SEAJ)によると、日本製半導体製造装置の市場は2024年度に初めて4兆円を超え、26年度には5兆円に到達する見通しだという。製造装置メーカー各社は技術開発や生産能力の増強に向けた投資を増やし、拡 […]
機械工具上場商社2025年3月期決算
9社が増収、2社減収
ネット通販2社を含む機械工具上場商社の2025年3月期決算が出そろった(トラスコ中山、フルサト・マルカホールディングス(HD)、MonotaROは25年1-3月期、NaITOは2月期)。機械や工具は自動車業界の停滞で、微増にとどまった。一方、自動化投資や一部の半導体需要を取り込んだ企業は堅調で、全体では9社が増収を確保した。26年3月期は10社が増収を見込むが、トランプ関税の影響や産業構造の変化などから、慎重にみる企業が多い。
自動化、半導体が堅調 車低迷で機械と工具は低調

日本工作機械工業会によると、24年の国内の工作機械受注額は4415億円と2年連続で5000億円を下回った。AIやデータセンター向け半導体や自動化投資は堅調だったものの、自動車業界の停滞が響いた。
工作機械に強い企業はその影響を受けた。ユアサ商事の工業機械部門の売上高は1074億円と9・5%減少。山善の国内機械事業の売上高は722億円と9・2%の減収となった。フルサト・マルカHDは決算期が異なるが、25年1‐3月期は回復しているものの、25年3月期では減収となった。
切削工具などの消耗材は増収となったが、値上げの影響を考えると実際には厳しい状況で推移した。NaITOの切削工具部門の売上高は0・5%増の215億円。切削工具を事業の柱とするCominixの切削工具部門では2・1%増の167億円となった。
機械や工具は低調だったものの、半導体やロボット、自動化投資に強い伝導機関連は堅調に推移した。日伝の売上高は1347億円と6・2%増となった。
鳥羽洋行も生成AI向けなど高性能半導体向けの需要を取り込んだことなどから、売上高は315億円と11%増加した。杉本商事も半導体や二次電池関連の受注が下支えし、売上高が6・1%増の494億円を確保した。
景気に関係なく好調だったのが、トラスコ中山。25年3月期では10・3%増加し、過去最高を記録した。ユーザー直送や多くの商品詰め合わせる「ニアワセ」などの物流サービスが奏功した。
ネット通販2社は好調を維持。ミスミグループ本社の売上高は過去最高を更新した。中でもけん引役となったのが海外事業。特に中国事業の売上高は793億円と円ベースで30%以上伸びた。
MonotaROは二ケタ成長を維持している。大企業の購買システムと連携する事業が好調で、25年1‐3月期の同事業の売上高は262億円と25%以上増加した。
26年3月期は慎重な姿勢
26年3月期は、11社中10社が増収を見込む。Cominixが24年末にKamogawaを子会社化したことで大幅の増収を予想するが、各社慎重にみる。特に海外比率が55%を超えるミスミグループ本社は「関税や為替の反動」を理由に微減を見込む。
この不透明さの最大の理由がトランプ関税。着地点が見えづらいことから、投資を見極めるユーザーが多いからだ。直販を進める機械メーカーが出始めるなど産業構造の変化も影響し始めている。ある商社トップは「工作機械はこれまでの受注の波に連動する動きとは異なってきており、今年は良くて前年並み」と話す。それでも「人手不足や省エネと言った課題は多い。自動化や省エネ提案を強化し、成長につなげる」。
日本産機新聞 2025年5月20日号
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