2026年9月21日(月)

【商社トップインタビュー】サンコーインダストリー/奥山 淑英社長「輸出強化で事業リスク分散」

コロナ禍によるデジタル活用の加速から始まり、半導体をはじめとしたモノ不足や素材の高騰、混乱が続くウクライナ情勢などの諸問題は収束の兆しが見えず、先行きの見通しはますます難しくなっていく。さらにカーボンニュートラル(CN)やSDGsといった社会課題への対応も求められており、経営環境の変化はまだまだ続くだろう。それらの変化の中で、機械工具卸商社は何を重視し、どのように対応していくのか。今年注力することについて、15社に聞いた。

サンコーインダストリー 奥山 淑英社長

海外のメンテ市場に商機

今年注力することは。

輸出事業の強化を進めており、2つの異なるやり方で展開している。一つは輸出代行事業。当社の顧客である、ねじの販売店は100社以上海外で商売をしている。そうした海外の顧客は調達で困っていることも多い。当社の在庫から商品をまとめて、顧客の海外拠点に直接届ける。

もう一つは、純粋な輸出事業。これまでの様々な取引を通じて、多くはないが海外企業とのつながりができていた。また、ウェブカタログ「3Qネット」の英語版を設けるなどして、海外の顧客も増やしている。

輸出強化する狙いは。

10年ほど前から、国内だけでは限界が来るのは分かっていた。見込み顧客が2万社近くあるが、順調に増えていけば、いずれ頭打ちになるのは当然だ。加えて、事業ポートフォリオ的にも、海外は必要だと考えていた。

また、本社のある大阪を中心に北海道まで同心円を描くと、上海くらいまで含まれる。距離も輸送面でも障壁は高くないことも分かった。

海外のねじのマーケットは。

JIS規格のねじを求める海外ユーザーは多く、市場も小さくない。工作機械や半導体製造装置など、日本製の機械や装置が海外で多く使われており、そのメンテナンスにJIS規格のねじが必要だからだ。また、そうした需要は小口ニーズが多いので、小口を強みとする当社のやり方にも合致する。

だから、国内同様にロット数を求められるユーザーではなく、小口ニーズが多い、卸商社や販売店を顧客に想定している。

今後の目標は。

輸出売上高は5年で10億円程度を想定しているが、売上は重視していない。輸出を広げるのは、為替や特定業界への依存を避けるなど事業リスクを分散させるのが狙いだからだ。将来的には、5千社の顧客のうち2割程度が海外顧客になればいいと考えている。

日本産機新聞 2022年7月20日

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