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販売店5社が語る 未来を拓く戦略
第3部ー勝ち抜くうえで経営に大切なことー
販売店5社が語る 未来を拓く戦略 第2部ー勝ち抜くための取り組みー
過去に捕われず
取り巻く環境が次々と変化する時代。人口減少、製造業の海外移転、ネット通販の参入など、多岐にわたる変化に機械工具商は的確でタイムリーな対応を迫られている。今までのビジネスモデルのままでいいのか、大きく舵を切るのか。機械工具販売店座談会第3部では、機械工具商が未来を勝ち抜くうえで経営に大切なことを語ってもらった。
機械工具商の経営で大切なこと
司会 今後、機械工具商の経営で大切なことは何でしょうか。
鹿村 バランスと強さ。勝ち残るうえでとても重要だと思っています。
司会 それは例えば。
鹿村 その一つが、商品それぞれの販売力。以前は得意としていたのに今は不得意な商品があります。その逆もあり、得意、不得意のバランスが変わってきています。バランスを取りながら商材ごとに強化し、取扱商品全体の販売力を底上げしたい。そのためには新たな取扱商品を増やすなど、改めて見直さないといけないと思っています。
司会 それがバランスと強さを改善するための課題ということでしょうか。
鹿村 いえいえ。あくまで一つであって、抱えている課題はほかにもたくさんあります。一度に全てを取り組むのは無理なので、目の前の課題に一つずつ挑んでいます。たくさんあり過ぎて、50歳になるまで終わらないかもしれないですけれど(笑)。
司会 岡本機工さんはどうお考えですか。
岡本 機械工具商が古くから構築してきたビジネスモデルは今後も続けていくべきです。ただ、そこに時代が求めるプラスアルファの知識や技術、発想を加えていくことが大切です。
司会 今なら何を加えますか。
岡本 例えば、メーカーから直接商品を仕入れてお客様に販売するというような発想も採り入れていくとか。
司会 卸商社が直接ユーザーに販売したり、メーカーから卸商社、販売店、そしてユーザーへという従来の形態にこだわらないということですか。
岡本 けっして機械工具業界のこれまでの商道徳に反するということではありません。仕入れ先の卸商社とはこれからも協力関係を続けていきたい。しかし機械工具の市場価格は下がり、ものづくり企業が海外に移転、ネット販売が参入し、環境は大きく変わってきています。今後、機械工具商が活躍できるフィールドは今より狭くなっていくはず。生き残るためには新たな発想が大切ということです。
横山(横山機工) 同感です。3年前、大阪機械器具卸商協同組合の100周年記念事業の講演で「フィフティ(50)」をテーマとしました。将来に残る機械工具商の市場は半分になる、勝ち残るためには今の商売のやり方の半分を変えていかなければならないということを話しました。今と同じビジネスモデルでは残っていけないと考えています。
岡本 けれど、業種を選ばず新たなことに挑戦していく覚悟があれば、ビジネスチャンスはあらゆるところにあると思います。機械工具商は金属加工や樹脂成形、鉄鋼をはじめ、食品や医療など実に様々な業界にお客様がいます。あらゆる企業にお客様になって頂ける可能性があり、お客様からの要望は無限です。視野を広げ、活動のフィールドを広げれば、新たな活躍の舞台があるはずです。
司会 横山機工さんの部品加工事業はまさにそれですね。機械工具商でありながら、部品加工にも挑戦し、事業分野を広げています。
横山(横山機工) お客様に「これができるのなら、あれもできる?」と求められ、できることを増やしていく。そうするとお客様の当社を見る目が変わってきました。そして社員の目の色や、やる気も変わる。新たなことに取り組んでいくことが善循環を生み、事業展開の幅が広がり、会社の魅力も高まっていくと思います。
小林 創業当時の精神や考え方に囚われ過ぎると事業展開の選択肢を狭めてしまうのかもしれませんね。今までの機械工具商のビジネスモデルに自分の考えを乗せようとするから選択肢が少なくなる。
司会 つまりゼロベースで考えてみる。
小林 そうですね。機械工具商という業態にこだわらず、自分が今創業者だったら何をするだろうか、と。何十年も前はお米屋さんだったけれど今はIT関連が主力事業という会社もあるわけですから。
新しい業態のビジネスを始めてみれば、新しい閃きや新事業が生まれるかもしれない。どういった考え方で、どう変化していくか、そして変化することを経営者も社員も楽しめば、業態が変わったとしても会社の発展は続いていくと思います。
変化の時代に勝ち残るのは、現時点の勝ち組ではなく、どう生き残るかを考え、行動し常に進化し続けた者だと思います。今はそれを時代に問われており、考えなければならない良い機会と捉えています。
将来の会社の理想像
司会 将来どんな会社にしたいとお考えですか。
横山(大徳機工) 時代の動きに合わせ、社会に貢献し、社員がやりがいを持ち、仕事について熱く語り和気あいあいと働ける会社にしたいですね。そのために、よりお客様のお役に立てるサービスを考え、得意な商品の競争力を高めていかなければなりません。当社は私で3代目ですが、事業理念も時代に合わせて変えていかなければならないかもしれません。
岡本 定年退職を迎えた社員が昔の写真を見て「懐かしいねえ」と思い出話ができる会社にしたいですね。途中で辞めることなく、ずっと働き定年を迎えることができる会社にしたいと思います。
商社、メーカーに望むこと
イズムに学び経営に生かす
司会 機械工具の流通構造も変わりつつありますが、メーカー、卸商社、販売店という形態は今なお主流です。ビジネスパートナーである商社やメーカーに期待することはありますか。
横山(大徳機工) 卸商社には、新製品や加工技術の知識を高めることができる講習会をどんどん開いて頂きたいですね。メーカーの営業や技術の方に講師になって頂いて、営業活動に役立つ知識を教えて頂きたい。営業活動でまず大切なのは商品知識や現場の課題解決の方法についての知識ですから。新たな知識に出会える場をつくって頂きたいです。
岡本 卸商社に望むのは、メーカーへの交渉力。販売店が困っていることや要望をメーカーに交渉する代理店になって欲しい。販売店にとってメーカーとの交渉はハードルが結構高いんです。販売店がメーカーにお願いしてダメでも、そのメーカーを得意とする卸商社が交渉すれば望みを受け入れてくれるかもしれない。メーカーへの交渉を助けて頂きたいと思います。
横山(横山機工) メーカーの事業の今後の方向性や思想をもっと知りたい。そういったことは販売店の立場ではなかなか知り得ないこと。それぞれのメーカーの考え方を知り販売を伸ばしたいし、販売店には無いメーカーのイズムに学び経営にも生かしたいと考えています。
司会 やはりメーカー、卸商社、販売店がお互いに協力し合い、向上し合うことで、お客様により多くお役に立てるようにしたいということですね。お互いに変化を促すことが必要かもしれません。皆さまの一層のご活躍をお祈り致します。長時間ありがとうございました。
了
日本産機新聞 平成28年(2016年)1月25日号
TONEは、本社を同社最大拠点である河内長野工場に統合、移転した。9月26日から業務を開始した。 今回の統合により、開発、製造、営業企画、品質保証、管理の各部門と経営を一体化。部門間のコミュニケーション向上を図り、一層綿 […]
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