2026年10月11日(日)

オーエスジー 宇宙ゴミ観測衛星の
メインスポンサーに

IDEA OSG 1を囲んで
IDEA OSG 1を囲んで

オーエスジー(石川則男社長)は、世界初の宇宙ゴミ(デブリ)観測衛星「IDEA OSG1」打ち上げのメインスポンサーとして参画する。デブリ観測衛星の開発を進めているASTROSCALE社(本社・シンガポール、岡田光信CEO)と共同で、12月15日に発表した。

「IDEA OSG 1」は九州大学の学生が発案し、ASTROSCALE社が開発・運用する。重さは20㎏。35㎝×35㎝、厚さ20μmのシートに50μm幅の銅線を3,300本プリントしたセンサ(JAXAが開発)2枚を搭載。デブリがセンサにぶつかると銅線の切れ方によってデブリの軌道・大きさなどを計測する。打ち上げロケットはロシアの“ドニエプル”を使用し、今年末打ち上げに向けて開発を進めている。オーエスジーはロケットと観測の連結部分(アダプターフランジ)の加工も担った。

 

連結部の加工も

 

打ち上げ後は地上600~800㎞の軌道を周回し、2年間かけてデブリを観測。ASTROSCALE社はそのデータをもとにデブリの全球マップを作成する。マップは、宇宙船などの設計強度の設定や衝突被害の抑制に活用する。

石川社長が「世界で初めの大きな挑戦のお役に立てれば・・・」と言うように、大沢二朗オーエスジー常務は「6月のパリ航空ショーでASTROSCALE社と出会い、プロジェクトの話に共感した。役員全員が賛同した」と熱い思いを語った。

オーエスジーの提供額は非公表だが「自動車50台から100台分程度」(石川社長)という。

発表会場には宇宙飛行士・山﨑直子氏や演出家・宮本亜門氏も応援に駆け付けた。スペースシャトルで宇宙に滞在した山﨑氏も「デブリが3カ所ぶつかった。もし窓を貫通していたら帰還できなかったかも」とデブリの怖さを語り「是非応援したい」とした。宮本氏も「誰もしていない一歩を踏む。勇気を頂いた。必ずビジネス化できると信じる」と熱く語った。

《宇宙ゴミの話》
宇宙ゴミ(デブリ)とは、古く使わなくなった人工衛星やそれがぶつかって壊れた破片、ロケットの上段、宇宙飛行士がミッション中に遺失した物などなど様々で、地球表面から600~1000㎞の軌道上にある。10㎝を超える大きさの物が2万2千個以上あると言われ、地上から観測が可能。1㎝以上なら1億個以上が大気圏外を秒速7~8㎞で移動しており、その90%はロシア、米国、中国によるもの。1㎝未満ならば衛星に当たっても壊れない設計になっているが、観測ができない1㎝~10㎝の大きさのゴミは、衛星に衝突すると惨事を招きかねない。ゴミが増え続けると宇宙が使えなくなることも考えられる。そこで、危険なゴミを計測・観測し、除去することが宇宙開発の喫緊の課題となっている。

ASTROSCALE社では、大きなデブリを除去する衛星「ADRAS1」も2017年に打ち上げる予定にしている。

日本産機新聞 平成28年(2016年)1月25日号

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