優勝は金沢機工・宮田氏 吉岡興業(神戸市兵庫区、078・579・1177)は7月25日、営業力を競い合う営業トークバトル「トーキングダウン3」を開催した。当日は、機械工具業界のメーカーと商社の垣根を越えた19社から30人 […]
果てしない挑戦
今年はどんな年になるのだろうか・・・。ことしこそ何をしようか。そんなことを毎年正月に考える。周囲の空気もなにか新しい感じがして、新鮮な気持ちで「一年の計」に思いを馳せることができる。
昨年秋に開催されたJIMTOF2014は、“アディティブマニュファクチャリング(AM)”“ハイブリッド(複合)”“知能化技術”“新CNC装置”“ロボットセル”などたくさんのキーワードで多彩な新製品・新技術が発表された。来場者も開会初日から「遅れまい」と詰めかけ、期間中の来場者は14万人(重複なし :同一来場者が複数日に亘って来場しても1人としてカウント)に迫る勢いだった。
様々な新しい技術による工程集約や高精度化、難削材の高効率加工などものづくりの変革、進化への提案がなされ、来場者は熱心に説明に聞き入った。出展した大手工作機械メーカーによると、獲得した引き合い件数は、前回展(2012年)の2倍を大きく超えた。中堅メーカーでも、年度内の納期が心配とする声が多くあった。
日本工作機械工業会の花木義麿会長(オークマ社長)は、JIMTOF開会式で、2014年受注見通しを1兆4500億円に上方修正した。過去2番目の高水準になったようだ。日本の工作機械がお客様のニーズを取り込み品質・価格・納期で世界の競合を、ものともしない世界市場を席巻していることが背景にある。
日本の工作機械生産額は、2009年に27年間連続世界1位の座を占めていたが、ついに中国に抜かれ、ドイツに続く3位に転落した。されど2010年には再び2位の座を奪い返し、「量」と「低価格」でリードする中国に「高品質」「複合化」技術でダントツの座に座った。
超硬工具生産も3300億円ほどに達し、リーマンショック前の9割の水準に戻りつつある。おそらく今年は、追い越し世界の舞台に再び挑むことが予測できる。
また、上場商社の第2四半期決算を見ても、全社が前年同期比で8%前後の増収増益となった。円安や株高、ものづくり補助金、投資減税などフォローの風も吹いている。
慌ただしい年末に衆議院議員選挙が実施され、安倍晋三首相率いる自民党と公明党が、野党の不甲斐なさに後押しされて圧勝。アベノミクスが加速されることになる。
そんな中、機械工具商各社は、一昨年に開催された全機工連大阪大会で、若手経営者が打ち出した「Fifty‐生き残りをかけた挑戦」を目指して、さらに攻めの経営に転じるだろう。「あれがしたい」「これもしたい」「それもしないといけない」など色々なテーマが浮かんでくることだろう。
しかしここで一息。現状を打ち破ろうとすれば、戦略はシンプルに絞り込んだ方がいいようだ。しかも、みんながすぐに内容をイメージできるようなわかりやすい言葉を使う方がいい。たくさんの項目を挙げたいのはやまやまだが、ポイントがぼやけてしまう上に、貴重な経営資源まで分散してしまう恐れがある。
ライバル会社がやってなくて、お客様が儲かって喜んでくれ、何よりも自社も儲かる。そして、それが継続できるのが最良となる。この仕組みを実現するとしたら、それは人間力に依る。
長年の経験を重ね、その道に熟達したベテランのノウハウ・知識と、若手の新鮮な感覚(アイデア)・行動力を合わせたチームワークが必要だ。
ものづくりも同じだろう。最新の設備を導入しても、それを使いこなすのは人間だから、差がつくのは人間力と、個々のそれを合わせるチームワークなのだ。
今年は、周囲の好環境に心を緩めず、集中して攻めの経営を展開したい。
日本産機新聞 平成27年(2015年)1月5日号
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