2026年9月9日(水)

【連載企画:イノフィス、次なる戦略①】折原  大吾社長インタビュー
海外展開、新規事業に力

2013年に東京理科大学発のベンチャー企業として設立されたイノフィス(東京都新宿区)。人の腰や腕の負担を軽減する装着型アシストスーツ「マッスルスーツ」を開発、販売し、これまでにさまざまな労働現場の課題を解決してきた。会社設立から10年が経とうとしている現在、さらなる製品の普及や事業を拡大していくために、どんな戦略を描いているのか。同社の次なる戦略に迫っていく。初回は折原大吾社長に、これまでの振り返りと今後の戦略について聞いた。(全3回)

社会課題を技術の力で解決

おりはら・だいご
1972年生まれ、埼玉県出身。2004年ミシガン大学経営大学院修了。銀行や外資系通信機器メーカー、証券会社、経営共創基盤などを経て、19年イノフィスに入社し、執行役員CFO兼企画部長、20年から現職。

設立から現在までを振り返って。

人工筋肉を使用した「マッスルスーツ」は2000年から研究開発が行われ、13年に実用化。当初は主に介護現場で使われていた。それが大きく変化したのは、19年に現行モデルの「Every」を発売してから。それまで月40~50台ほどだった出荷台数が月数百台と飛躍的に増加し、農業や製造業、物流など広い分野で活用されるようになった。その最大の理由は価格だろう。改良を重ね、初期モデルに比べると5分の1程度まで価格を引き下げた。また、製品の軽量化を図ったことも導入が進んだ背景にある。

今後の成長に向けて注力することは。

一つは海外展開だ。当社の基盤となる考え方は、少子高齢化が進む中、労働負担や介護負担、健康維持といった社会課題を技術の力で解決していくこと。少子高齢化は日本だけでなく、あらゆる国・地域で課題となっている。そうした課題を解決する当社の技術を世界に広げていきたいと考えている。

そのためには。

現在、アジアや欧州を中心に17カ国・地域で販売している。今年3月にはメキシコでの販売も開始した。今期中には米国での出荷も始めたい。今後、欧州には拠点を設立し、さらなる市場開拓を進めたいと考えている。現状の売上比率は国内がほとんどだが、将来的には海外比率を売上ベースで4割程度に引き上げたい。

その他注力することは。

新規事業による事業領域の拡大だ。当社は労働力不足に対するソリューションを提供するだけでなく、人が健康を維持し、動き続けられる体づくりを製品でサポートしていきたいと考えている。そのために、昨年からフィットネス分野に進出した。

具体的には。

「マッスルスーツ」の人工筋肉の機能を活用し、トレーニング・フィットネス器具として売り出していく。また、製品だけでなく、トレーニングメニューと組み合わせて、活用方法なども含めた展開を進めている。

長期的なビジョンは。

今後もイノベーティブな製品を生み出し続けることに変わりはない。すべての人が生きている限り自立した生活を送る世界を実現していきたい。

日本産機新聞 2022年11月5日

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