2025年2月13日(木)

冨士精密 テクニカルセンターを開設

ゆるみ・締付けなど実証実験

様々な産業に欠かせないパーツである「ゆるみ止めナット」メーカーの冨士精密(大阪府豊中市、06-6862-3112)はボルト・ナットのゆるみや締付けの実証実験ができる施設「テクニカルセンター」を開設。ボルト・ナットの使用環境を再現できる設備導入を進め、ゆるみ止めナットの評価試験やボルト・ナットを組み込んだ製品など様々な顧客ニーズに対応できる環境を整えたことでユーザーの課題解決に取り組んでいく。

同社はテクニカルセンター開設にあたり、様々な試験機を取り揃えた。まずは上下に振動を加え、ゆるみ止め性能の判定、比較を行うNAS式高速ねじゆるみ試験機を3台導入。専用の振動試験室を設け、NAS3350(米国航空宇宙局規格)仕様で、M4~M36まで試験が可能だ。ボルト・ナットを組み込んだ大型製品にも対応する。また、ドイツ工業規格に準拠したユンカー式ねじゆるみ試験機も揃える。

さらに、ねじ締付け特性試験機とアムスラー引張万能試験機3台を導入。ねじ締付け特性試験機はボルト・ナットの締結に関する特性値を計測する。

また、アムスラー引張万能試験機はデジタル制御の最大荷重50tまで対応する大型試験機を設置。タッチパネル式で高精度な応力制御・ひずみ制御試験が可能に。そのほか、最新の蛍光X線膜厚計、画像寸法測定器やマイクロスコープ、ロックウェル硬度計、コントレーサー、樹脂やカーボンに対応する3Dプリンタ、汎用旋盤、フライス盤、電気炉、打ち合わせルームなど各種設備を整え、顧客の要望に応える。

「サービス体制を充実させたことでボルト・ナット試験から特殊な治具を設計し、規格外の試験まで柔軟に対応できる」とテクニカルセンター課長代理の横田諭志氏は話す。同社の製品は二輪や建築、道路(インフラ)など幅広い分野で使用され、組み合わせるボルトやナットの強度、表面処理など使用条件によって最適な締付けトルクも変化する。そうした課題に対し、実証実験を行い数値化することで、最適なトルク値や課題解決を提案することができる。

今後についてテクニカルセンター次長の山口栄二氏は「試験の様子を遠隔でモニタリングできる環境も整え、幅広い要望に応えたい。次は商社やユーザー向けの勉強会や見学会も同施設内で行い、座学だけでなく体感できる場として活用したい」と語った。

日本産機新聞 2022年10月20日

[ ニュース ][ 会社移転・新設 ][ 日本産機新聞 ] カテゴリの関連記事

菱和 ECサイト武器に強みを磨く

研磨材のドクターに 研磨材専門商社の菱和(大阪市西区、06・6538・0271)は昨年6月、ECサイト「R-GEAR」を立ち上げ、販売店の利便性向上と業務効率の改善を加速させている。同サイトは研磨材関連に特化しているのが […]

カワタテック 外段取りで自動化促進【特集:工程短縮】

パレットチャンジャ「SP4770G」 変種変量生産にも対応 25年以上前からファナック製ロボドリルに対応するパレットチェンジャを2機種(SP3970G・SP3950G)揃え、国内外で2000台の納入実績を持つ。 今回、新 […]

オーエスジー 切削だけで樹脂鏡面仕上げ【特集:工程短縮】

「ディスクカッタ+単結晶ダイヤモンド」 バフ研磨不要で大幅時間短縮 オーエスジーはディスクカッタ「PFDC」に単結晶ダイヤモンドインサート「DM001」を追加、11月20日から販売開始した。 切削加工だけでアルミニウム合 […]

トピックス

関連サイト