2022年9月26日(月)

【特集】中小企業基盤整備機構 事業承継・再生支援部 木口 慎一審議役に聞く、事業承継で心掛けること

2025年には70歳以上の経営者が245万人以上になり、その半数の企業で後継者が未定だとされる。このままでは廃業が急増し、650万人の雇用と22兆円のGDPが失われるという。廃業のうち5割が黒字で、事業承継は日本全体での大きな課題だ。機械工具業界でも同じで、事業環境の厳しさなどから、継承に悩む経営者も少なくない。中小企業基盤整備機構で、事業承継などをサポートする木口慎一審議役に、親子、第三者、M&Aによる承継で留意すべきことなどを聞いた。

承継には時間が不可欠

事業継承・再生支援部
中小企業基盤整備機構内で事業継承などを支援する部署。「事業承継・引継ぎセンター」でのマッチングサポートのほか、承継に関する補助金の交付、金融機関などへ承継をサポートする人材派遣などを通じ、事業承継を支援している。

早期の対応や相談を

まず事情承継で意識すべきことは。

時間が掛かること、多様な課題があり簡単ではないことを認識すべきです。4割近くの企業が後継者を選定してから了承を得るまでに3年超かかっています。選定はスタートでしかなく、そこから税務や金融機関との調整など承継が始まります。いずれの承継を選ぶにしても、早期に準備をすること、そして当機構でもいいですし、地銀や信金など支援機関に相談することが重要です。

承継のケースごとで留意点を教えてください。最も多い親子承継で留意すべきことは。

承継には時間が掛かるので、まず簡単でいいので計画を立てること。そして、無形有形も含めて企業財産の整理が必要です。続いて、継承時には相続税や贈与税がかかりますので、活用できる様々な税制を検討すべきです。計画が認定されれば承継時の納税が猶予される「事業承継税制」を中心に、活用できる税制はたくさんあります。

後は株の分散対策も重要です。株式の分散で承継に苦労するケースは少なくありません。会社法の特例ができ、手続きを踏めば1年で株式の集約が可能になりました。

社員への継承を進める上でのポイントは。

最も難しい形かもしれません。社員は基本サラリーマンですから、株式を購入する資力がない。融資制度の活用などが一つの方法でしょう。

もう一つは先代社長の経営者保証の問題です。国では、一定の要件を満たせば保証を解除すべきだという考え方を示しています。保証解除には、経営者の財産と会社の財産を明確に分けることなどが必要になります。

M&Aでの譲渡を考える経営者も増えています。

当機構が運営する「事業承継引継ぎ支援センター」と、民間のM&A仲介5社の21年度の実績は2500件にも上ります。ただ、このスキームは素人だけでは難しい。無料ですので、まず支援センターに相談頂くのも一つだと思います。

M&Aには補助金制度も用意されています。会計士の費用など600万円上限に補助する「専門家活用事業」、承継後にの事業革新に600万円を上限に補助する「経営革新事業」などがあります。

中小機構が行う支援制度は。

当機構の支援策は大きく3つです。金融機関などへの人材派遣を通じて、相談支援体制の整備すること。二つ目は「事業承継・引継ぎセンター」でのマッチング、そして各種補助金の交付です。

いずれにしても、承継は時間が掛かるし、悩みも多いと思います。一人だけで悩まずに、早い段階で、相談をしていただければと思います。

実際の事業承継に関する事例は、以下のリンクから

PART1:原口機工 大橋 正彦社長に聞く
PART2:都機工 長橋 初社長に聞く
PART3:渡忠機械 渡邉 達也社長に聞く

日本産機新聞 2022年8月5日

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