2021年11月28日(日)

【Innovation!】アルミ加工用工具

高まる軽量化ニーズに対応

自動車のEV化により軽量化を図るため、アルミ部品が注目されている。先日開催されたメカトロテックジャパンでもEV部品向けのモータハウジングやインバータケースなどアルミ部品加工を想定した工作機械や切削工具の提案が多く見られた。今後も軽量化ニーズは高まることが想定され、切削工具におけるアルミ加工の高生産性や長寿命化が重要になる。今回は注目されるアルミ加工用工具にスポットを当て、最新の製品や各社の一押し製品を紹介する。

PART1:オーエスジー「非鉄部品の深い立ち壁に威力」
PART2:岡﨑精工「1本で3つの加工」
PART3:京セラ「高速回転でも安定加工」
PART4:サンドビック「バリ抑制と高生産性を両立」
PART5:住友電気工業「GB型ブレードを拡充」
PART6:タンガロイ「高精度壁面加工に最適」
PART7:日本特殊陶業「多刃仕様かつ軽量なカッタ」
PART8:三菱マテリアル「綺麗な加工面を実現」

PART1

オーエスジー「非鉄部品の深い立ち壁に威力」

非鉄用DLC超硬エンドミル 立ち壁対応型

非鉄用DLC超硬エンドミルに高機能タイプ 立ち壁対応型を追加。2.5D刃長と刃太タイプのロングシャンク形状により、L/D=5以上の立ち壁を側面ステップ切削で高能率・高精度に加工する。シャンク側端面のR形状により筋発生を抑制。不等リード・不等分割によりびびりを抑制し、DLC-IGUSSコーティングにより長寿命化を実現している。

非鉄部品の深い立ち壁加工やポケット加工に威力を発揮する。

スタンダードタイプのショート形「AE-TS-N」、ロング形「AE-TL-N」、高機能タイプのショート形「AE-VTS-N」にギャッシュ当てをしていない刃先仕様のピンカドタイプをラインナップ。切り残しが許されないコーナ形状の加工に有効。非鉄加工のあらゆるニーズ対応する。

スペック

  • 刃  径:6㎜~22㎜
  • 刃  数:3枚刃
  • 刃先形状:スクエア・ラジアス
  • 加工用途:L/D=5以上の立ち壁の高能率・高精度加工
PART2

岡﨑精工「1本で3つの加工」

超硬アルミ用ザックリミル3枚刃「SAE3Z」「SAE3ZD」

超硬アルミ用ザックリミル3枚刃「SAE3Z」「SAE3ZD」は、今年3月に発売された高効率加工用エンドミルザックリミル「ザックリミル」シリーズの新製品。

1本での3つの加工ができる、ネジレ角縦45度の縦送り強化型。Z軸方向の突込み加工や溝加工、深切込み側面加工などで威力を発揮する。

素材は超微粒子超硬合金で、アルミニウム合金のほか、銅合金などの加工にも、高い威力を発揮する。

「SAE3Z」はノンコート。「SAE3ZD」はピュアDLCコートが施されており、高い溶着抑制効果を誇る。ノンコート、DLCコートどちらも全品即納。

標準価格はSAE3Zが5000円〜34000円、SAE3ZDが7400円~41000円(税抜き)。

スペック

  • 刃  形:4㎜~20㎜
  • 刃  数:3枚刃
  • 刃先形状:スクエア
  • 加工用途:アルミ、銅合金の突込み・溝加工・深切込み側面加工
PART3

京セラ「高速回転でも安定加工」

アルミ加工用高能率エンドミル「MEAS」

「MEAS」はアルミニウム合金の高速加工に対応し、独自のチップ飛散防止機構を採用。チップ裏側は独自のセレーション構造で高速回転による遠心力をセレーション部分で受けることでクランプスクリューへの負荷を低減。クランプスクリューの折損を防止し、高速回転でも高い信頼性、安全性を実現した。

ブレーカは大きなすくい角とシャープなエッジが特長の低抵抗型ALブレーカと2段逃げ角とRホーニングが特長の刃先強化型AMブレーカを用意。アルミ合金加工の推奨最大切削速度はALブレーカで最大3000m/分、AMブレーカで最大5000m/分。

また、独自の水素フリーDLCコーティング「PDL025」は長寿命かつ美しい加工面と安定加工を可能にする。

スペック

  • チップ材質  :超硬
  • インサート形状:平行四辺形
  • 逃げ角    :ポジ
  • 加工用種   :ミーリング
  • 加工用途   :荒加工~仕上げ
PART4

サンドビック「バリ抑制と高生産性を両立」

「M5B90」

主に自動車産業などアルミ合金の部品加工向けに開発したのがアルミ合金加工用仕上げ専用正面フライスカッター「M5B90」。バリの抑制を図りながら、高い生産性を実現している。

特長は径方向・軸方向のチップ位置を切込み量と送り量に合わせて1枚ずつ異なる位置に最適配列するサンドビック独自のステップテクノロジーを採用。これにより、バリの発生を抑制することで、切れ刃の負担も軽減し長寿命化を達成した。

また、少ない刃数で従来通りの送り速度を実現することができ、さらに、仕上げ加工面に触れるのはワイパー刃のみで、他の刃は干渉せず、刃振れ調整が不要でチップ交換はトルクレンチ1本でセットを完了できる。

スペック

  • チップ材質:PCD
  • 逃げ角  :ポジ
  • 加工用種 :正面フライス
  • 加工用途 :仕上げ
PART5

住友電気工業「GB型ブレードを拡充」

高能率PCDカッタ「アルネックスANX型」

住友電気工業は今年9月、アルミ合金加工用高能率PCDカッタ「アルネックスANX型」シリーズに、自動車エンジンなどアルミ合金と鋳鉄を組み合わせた部品に対応する新刃型として、安定した加工が可能な材種「スミダイヤDA90」を適用した「GB型」ブレードを拡充した。

スミダイヤDA90は粗粒ダイヤモンド粒子を緻密に焼結した多結晶ダイヤモンド材種。ダイヤモンド含有率が高く、アルミ合金と鋳鉄を組み合わせた部品やSi含有率が12.6%を超すアルミ合金の加工で優れた耐摩耗性を発揮する。

近年、自動車などで軽量化を目的にアルミ合金の使用割合が増加。高速・高能率加工や小型設備対応の軽量工具が求められており2019年、アルネックスANX型を発売、シリーズを拡充し続けている。

スペック

  • チップ材質  :DA90
  • インサート形状:ブレード
  • 逃げ角    :ポジ
  • 加工用種   :ミーリング
  • 加工用途   :共削り
PART6

ンガロイ「高精度壁面加工に最適」

PCDインサート追加「TungRec」11サイズ

高精度の壁面加工を可能にした汎用的な直角肩削りカッタ。非鉄金属加工用として、高速加工と高精度・高品位を可能にするPCDインサートを追加した。

PCDインサートは切れ刃形状を最適化したことで、従来のPCD工具よりも切削抵抗を低減し、壁面精度も大きく向上させた。また、非鉄金属の超高速加工にも対応でき、シリコン高含有のアルミ材の加工でも驚異的な工具寿命を発揮する。

PCDには超微粒系のDX110材種を採用。優れた刃立ち性によって、鏡面のように光沢のある非常に優れた加工面品位を実現する。

今回のシリーズ追加で、φ50㎜以下の加工には「TungRec」を、φ50㎜以上の加工には超多刃仕様で高能率加工が可能な「TungSpeed-Mill」を選択できるようになり、非鉄金属加工のトータルツーリングを可能にした。

スペック

  • チップ材種  :PCD
  • インサート形状:平行四辺形
  • 加工用種   :ミーリング
  • 加工用途   :仕上げ
PART7

日本特殊陶業「多刃仕様かつ軽量なカッタ」

アルミ部品加工用フライス工具「HFCシリーズ」

アルミ部品加工に対し、高能率加工で生産性向上を求めるニーズが高まっており、工作機械メーカーでは主軸30番でも高送り加工に対応した高剛性の小型マシニングセンタのラインアップを増やしている。そこで同社は多刃仕様でありながら軽量(工具+アーバー重量が2.0㎏MAX:30番アーバーに取りつくインロー規格)なカッタを開発、発売した。

主な特長は①より多くの刃数の装着で高能率加工を実現(φ125カッタに最大22枚のインサートを装着でき、従来比1.2倍。これまでは最大18枚)、他社製品に対し最大1.5倍の加工能率向上を可能にした。②軽量アルミボディでATC重量制限のある機械でも使用可能(φ125のカッタ+BT30のアーバーで総重量2㎏以下を実現)。③刃先調整式により高精度加工を実現。

スペック

  • チップ材質:PCD
  • 加工種  :ミーリング
  • 加工用途 :仕上げ
PART8

三菱マテリアル「綺麗な加工面を実現」

Alimasterシリーズ

「Alimasterシリーズ」は内部クーラントのねじれ穴採用と最適化された切れ刃形状により高能率加工を実現するアルミニウム合金加工用エンドミル。従来展開していたノンコ—ティングに加え、耐溶着性と密着性に優れた独自開発のDLCコーティングを採用したラインアップも追加した。

摩擦係数を低減し、溝・コンタリングなど切りくず排出性が求められる加工で安定加工を実現。また、環境負荷が低いとされるドライ加工も可能にした。ドライ加工時にエアブローを使用することで、切りくずの噛み込みを防止し、より安定した加工を実現する。

DLCコーティングは、3枚刃スクエアタイプ「DLC3SA」4アイテムと3枚刃ラジアスタイプ「DLC3SARB」13アイテムを揃える。

スペック

  • 刃形  :12㎜~25㎜
  • 刃数  :3枚刃
  • 刃先形状:スクエア・ラジアス
  • 加工用途:突込み、ランピング、溝加工など幅広い用途に対応

日本産機新聞 2021年11月5日

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