2024年4月19日(金)

自律的な人材を求む 大谷選手だけでは優勝できない -仕事考-

大谷翔平選手は、2刀流にやり甲斐を求めてエンゼルスに入団し、大活躍している。だがスーパースター大谷選手一人では、チームは優勝できない。今回は、全社員が高度な戦力になり、生産性を向上することについて考えたい。

働き甲斐があれば人は前向きになり、業績向上に繋がり、高分配も可能になる。もちろん個々のレベルアップが重要な要素になる。

働きやすさや働き甲斐は、どのように実現すればいいか。ダイバーシティが注目されるようになって、働きやすさの実現には様々なニーズが予想される。

そもそも会社は、目的を達成するため構成する人を採用し、育て、能力開発を促がし、協働することで組織力を向上させ、目的を完遂するところにある。全員の力を足したよりも大きな力が発揮できれば、これは組織の競争力になり、テレワークなど働き方が変わってもそこは不変だろう。

一方、組織を構成する社員達は、一緒に力を合わせて仕事をする中で、チームメイトより自分がより優れた仕事をしようと競争する。職場は人材育成の場であり、競争の場でもある。ただ、成果主義の導入によって、本来の能力よりも短期的な成果を評価する傾向が強まり過ぎ、うまく育たなかった。責任を持つことを嫌う社員も増えている。このままでは社員の結束力が弱まり、働き甲斐もなくなり、働きやすさも感じなくなり、目標達成に支障をきたす。

人は、感情や意思を持っている。組織の競争力にも大きな影響を及ぼす。会社は、働き甲斐や働きやすさを提供しようと努力している。一方で働く人の考え方も変わってほしいと願う。今の仕事に対する誇りに加え、組織としての目標達成のために、自分で自分の目標を設定し、それを達成する意欲や能力、責任感を持つ自律的な人材を求める。

一方で、上司が全てを指示するのではなく、社員は尊重され、多様な意見を交わす場になれば好循環が生まれる。社員も他人の反応を怖がったり、意見が稚拙だからと恥ずかしく思うことなく、自然体の自分をオープンにできる。

企業は利益を追求するため、働く人の視点とは合致しないケースも多い。経営目標の達成と、多様な考えの社員が働き甲斐を持ち、働きやすい環境づくりの両方を追求したいものだ。

日本産機新聞 2021年10月5日

[ コラム ][ 仕事考 ][ 日本産機新聞 ] カテゴリの関連記事

【連載企画:イノフィス、次なる戦略②】折原  大吾社長インタビュー
作業や業界に特化した製品開発

イノフィス(東京都新宿区)は今年8月、腰補助用装着型アシストスーツ「マッスルスーツ」の新しいモデル「GS-BACK」を発売した。既存モデルの「Every」に比べ、軽量で動きやすく、これまで以上に幅広い現場での活用が期待さ […]

TONE 本社を河内長野工場に移転

TONEは、本社を同社最大拠点である河内長野工場に統合、移転した。9月26日から業務を開始した。 今回の統合により、開発、製造、営業企画、品質保証、管理の各部門と経営を一体化。部門間のコミュニケーション向上を図り、一層綿 […]

エヌティーツール 福岡県筑紫野市に九州事務所を開設

ツーリングメーカーのエヌティーツール(愛知県高浜市、0566-54-0101)は福岡県筑紫野市に九州事務所を開設し、九州地域での迅速かつ細やかなサービスを提供することで顧客の課題解決に応えていく。住所は福岡県筑紫野市原田 […]

トピックス

関連サイト