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自律的な人材を求む 大谷選手だけでは優勝できない -仕事考-
大谷翔平選手は、2刀流にやり甲斐を求めてエンゼルスに入団し、大活躍している。だがスーパースター大谷選手一人では、チームは優勝できない。今回は、全社員が高度な戦力になり、生産性を向上することについて考えたい。
働き甲斐があれば人は前向きになり、業績向上に繋がり、高分配も可能になる。もちろん個々のレベルアップが重要な要素になる。
働きやすさや働き甲斐は、どのように実現すればいいか。ダイバーシティが注目されるようになって、働きやすさの実現には様々なニーズが予想される。
そもそも会社は、目的を達成するため構成する人を採用し、育て、能力開発を促がし、協働することで組織力を向上させ、目的を完遂するところにある。全員の力を足したよりも大きな力が発揮できれば、これは組織の競争力になり、テレワークなど働き方が変わってもそこは不変だろう。
一方、組織を構成する社員達は、一緒に力を合わせて仕事をする中で、チームメイトより自分がより優れた仕事をしようと競争する。職場は人材育成の場であり、競争の場でもある。ただ、成果主義の導入によって、本来の能力よりも短期的な成果を評価する傾向が強まり過ぎ、うまく育たなかった。責任を持つことを嫌う社員も増えている。このままでは社員の結束力が弱まり、働き甲斐もなくなり、働きやすさも感じなくなり、目標達成に支障をきたす。
人は、感情や意思を持っている。組織の競争力にも大きな影響を及ぼす。会社は、働き甲斐や働きやすさを提供しようと努力している。一方で働く人の考え方も変わってほしいと願う。今の仕事に対する誇りに加え、組織としての目標達成のために、自分で自分の目標を設定し、それを達成する意欲や能力、責任感を持つ自律的な人材を求める。
一方で、上司が全てを指示するのではなく、社員は尊重され、多様な意見を交わす場になれば好循環が生まれる。社員も他人の反応を怖がったり、意見が稚拙だからと恥ずかしく思うことなく、自然体の自分をオープンにできる。
企業は利益を追求するため、働く人の視点とは合致しないケースも多い。経営目標の達成と、多様な考えの社員が働き甲斐を持ち、働きやすい環境づくりの両方を追求したいものだ。
日本産機新聞 2021年10月5日
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