2026年4月8日(水)

北出金作商店 『ありがとう』を返せる企業へ【京都特集】

めんどくさいことも喜んで

「人が生き生きと働き、明るく楽しい職場で、会社を好きになってもらいたい」と話すのは北出金作商店の北出幸裕社長。2019年に社長就任し、『ありがとうを、いきる』を経営理念に、社内改革に取り組むと同時に、新たな価値創りを進める。

「先代の父が亡くなり、戻って来た時は昭和のままだった」と北出社長。社員の高齢化も進んでいた時で、職場環境の改善や自社の魅力、根幹となる理念など次世代に残す改革の必要性を感じる。「創業者が加賀出身の農家にルーツを持っており、めんどくさいことも我慢強く、喜んでやることが当社の魅力、価値と思った。父も『人がやらないことに価値がある』と言っていた」と、初心に戻る意味で始めたのが農業。農地を借りて社員と米作りに励む。「米作りもものづくり。大変な作業だが、体験することで会社として大切にしていることを根付かせ、社員同士の関係構築にも結び付いている」と社風の醸成を図る。

さらに一昨年の創業75周年を機に会社ロゴや社内レイアウトを刷新。「プロジェクトを立ち上げ、社員で家具やレイアウトを決めた」と北出社長。広々としたオフィス空間やフリーアドレス化を図り、固定席を設けず、闊達なコミュニケーションを図れる場を構築した。

採用活動では社員の友人などを積極的に採用。人と人とのつながりを大事にし、強い仲間意識や信頼関係のある職場環境へと変わり始める。

新たな価値創りも挑戦。従来の倉庫をリノベーションし、機械加工現場を立ち上げた。「ものづくりを学ぶ現場やニーズがあればユーザーの様々な加工課題にも応えたい」と考え、マシニングセンタや旋盤、フライス盤を導入し、機械オペレータも採用。今春には社内ベンチャーとしてカフェを常設予定で、新たな出会いやものづくりの魅力発信の場となる構想を掲げる。

北出幸裕社長

こうした新事業への取り組みを進めても、北出社長は「ありがとうと言われる商売を続けたい。お客様や周りの方々から昔に世話になったんやと今でも言われる。これが商売で、この思いを守りたい」と社員、仕入先、顧客、地域社会との共存共栄を図り、互いに支え合う中で『ありがとう』を返せる企業を目指す。

日本産機新聞 2025年2月5日

 

 

[ 企業紹介 ][ 日本産機新聞 ][ 特集 ] カテゴリの関連記事

特集:今年の戦略商品② メーカー各社が拡販に注力する製品を紹介

今回の特集は、前号に引き続き「今年の戦略商品」。工作機械や切削工具、チャックなどの工作機器をはじめ、省エネを謳うエアコンプレッサーに労働安全を訴求するファン付き作業服、さらにユニークな機能を持つ機械要素部品や配管工具まで […]

浜正 印に法人設立、日系ユーザーの現地調達・自動化を支援

浜正(大阪市西区、06・6531・8431)は2月28日、インドに現地法人を設立した。まずは日系ユーザーの現地調達や自動化支援などから手掛け、初年度に2億円の売上を目指す。将来はインド国内での多店舗化や、現地のSI企業と […]

引き継ぎをスムーズにするには【現場考】

「ちょっと図面を見てくれないか」、「もっと削りやすい砥石を知らないか」。顧客から高い信頼を得ている営業が現場に向かうとよくこんな声がかかる。ある販売店ではこうした技術や知見を持つ営業を多く抱えることで、顧客の信頼を得てき […]

トピックス

関連サイト