人手不足や高齢化に商機 2025年の国内経済は自動車産業の回復の遅れや半導体市場の低迷などで厳しい局面が続いた。その中、製造現場は人手不足・技術者の高齢化が大きな課題となっており、現場の自動化/省人化、環境改善、技能伝承 […]
北出金作商店 『ありがとう』を返せる企業へ【京都特集】
めんどくさいことも喜んで
「人が生き生きと働き、明るく楽しい職場で、会社を好きになってもらいたい」と話すのは北出金作商店の北出幸裕社長。2019年に社長就任し、『ありがとうを、いきる』を経営理念に、社内改革に取り組むと同時に、新たな価値創りを進める。
「先代の父が亡くなり、戻って来た時は昭和のままだった」と北出社長。社員の高齢化も進んでいた時で、職場環境の改善や自社の魅力、根幹となる理念など次世代に残す改革の必要性を感じる。「創業者が加賀出身の農家にルーツを持っており、めんどくさいことも我慢強く、喜んでやることが当社の魅力、価値と思った。父も『人がやらないことに価値がある』と言っていた」と、初心に戻る意味で始めたのが農業。農地を借りて社員と米作りに励む。「米作りもものづくり。大変な作業だが、体験することで会社として大切にしていることを根付かせ、社員同士の関係構築にも結び付いている」と社風の醸成を図る。

さらに一昨年の創業75周年を機に会社ロゴや社内レイアウトを刷新。「プロジェクトを立ち上げ、社員で家具やレイアウトを決めた」と北出社長。広々としたオフィス空間やフリーアドレス化を図り、固定席を設けず、闊達なコミュニケーションを図れる場を構築した。
採用活動では社員の友人などを積極的に採用。人と人とのつながりを大事にし、強い仲間意識や信頼関係のある職場環境へと変わり始める。
新たな価値創りも挑戦。従来の倉庫をリノベーションし、機械加工現場を立ち上げた。「ものづくりを学ぶ現場やニーズがあればユーザーの様々な加工課題にも応えたい」と考え、マシニングセンタや旋盤、フライス盤を導入し、機械オペレータも採用。今春には社内ベンチャーとしてカフェを常設予定で、新たな出会いやものづくりの魅力発信の場となる構想を掲げる。

こうした新事業への取り組みを進めても、北出社長は「ありがとうと言われる商売を続けたい。お客様や周りの方々から昔に世話になったんやと今でも言われる。これが商売で、この思いを守りたい」と社員、仕入先、顧客、地域社会との共存共栄を図り、互いに支え合う中で『ありがとう』を返せる企業を目指す。
日本産機新聞 2025年2月5日
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