2026年1月16日(金)

機械工具上場商社 –2020年4-6月期決算– 

コロナ直撃、全社減収

通期見通し視界不良

 機械工具上場商社の2020年4‐6月期(トラスコ中山は16月期、NaITOは3‐5月期)決算が出そろった。新型コロナウイルスの感染拡大よる需要減少が直撃し、全社が減収減益となった。5月下旬に緊急事態宣言が解除されたものの、積極的な営業活動が制限されたことで、受注が伸びず、上期は厳しいとみる向きが多い。通期に関しては、トラスコ中山を除く全社が見通しを明らかにしていなかったが4社が通期予想を発表。いずれも前期比でマイナスとするなど視界不良は続く。

 20年4‐6月期は年初からの米中貿易摩擦による景気低迷に加え、コロナ禍が直撃した。その影響が大きかったのが工作機械。山善の機械事業部の売上高は205億円と32%減少した。ユアサ商事の工作機械事業も198億円と26%マイナスで、フルサト工業の機械・設備セグメントも35%減の28億円だった。

 自動車や航空機関連の工場稼働率の低下が響き、切削工具の需要も急減した。日本機械工具工業会の4‐6月の生産額は948億円と対前年同期比で3割減少。NaITOの切削工具事業の売上高は47億円と18%マイナスとなった。同じくCominixの切削事業は30億円と18%減った。

 比較的堅調だったのが、5Gやデータセンターの需要にけん引された半導体業界。鳥羽洋行は「半導体・液晶製造装置に関連する得意先は回復してきた」とし、売上高は5.6%減の59億円にとどまった。

 一方、コロナ禍でも、ネット通販やホームセンター向けの巣ごもり需要を確保したのがトラスコ中山。Eビジネスルート向けの売上高は194億円の15%増で、ホームセンター向けは81億円と17%伸び、工場向けのマイナスを補った。

 足元は厳しい状況が続く。ある商社幹部は「4月以降、訪問活動が制限され、7‐9月期の数字につながる営業が積極的にできなかった」と話すように、7月以降も低調に推移している。日本工作機械工業会が発表した4‐6月期累計の受注額は1745億円と前年同期比で45%近く減少した。6月、7月と600億円台に回復したが、機械の納期を考えると、9月期も売上では厳しい状況が続きそうだ。

 通期はどうか。トラスコ中山以外は6月の決算時には公表を見送っていたが、4社が見通しを発表。山善は売上高11.1%減の4200億円、ユアサ商事は8・4%減の4500億円とした。11%減の1000億円を見込む日伝は「上期は依然低調な水準に留まるが、下期以降緩やかな回復を見込む」とする。

 ただ、各社ともコロナ禍の影響次第で状況は読み切れないとしており、下方修正したトラスコ中山は2.3%増から10%減のレンジ形式で発表するなど、先行きが見通しづらい状況が続いている。

日本産機新聞 2020年9月5日

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