2020年10月21日(水)

鬼退治・桃太郎の組織 –寛容さと人間観察力を養う–

多様性を求む

 働き方改革も含めたダイバーシティ化が進んでいる。多様性が求めれる背景がある。

 ダイバーシティと言えば、女性や外国人の採用を増やしたり、女性管理職を増やすなどがよく話題にのぼるが、そうではない。本来のダイバーシティの目的は、異質な・多様な意見を言える人を組織の中に増やす。周囲の意見や空気に迎合しない人を指す。日本企業で女性や外国人の活用が叫ばれているのは「昭和に生きてきた日本のおじさんたちとは異なった考え方や価値観を持った人をミックスしよう」ということだったと思う。イヌ、サル、キジを伴い鬼退治に向かう桃太郎の組織を思いだすといい。

 ところが、一緒に働いているうちに人は同質化する傾向にある。そうなっては意味がない。そこで、腹の立つタイプ、自分とは異なるタイプを入れるという選択肢。腹が立つと言っても、単に反抗的な人ではなく、きっちりと正直に自分の意見を言える人だ。

 上司の意見に何でも従うイエスマンばかりが集まると、いかにもスムーズに組織が運営されているように見えるが、必ずしも最適な決定を下しているとは言えない。「僕はこう思います」や「いや、僕は別のC案がいいと思います」などと意見を言ってくれた方が上司の視点も広がり、選択肢が増える。

 一見、まとまりが悪く、リーダーシップが無いように見えるが、時間とともに社員も上司も視野が広がり、期待も含めレベルアップすることだろう。

 ただし、単に楯突く社員はダメだ。自分の意見を言うこととは全く異なる。上司はそんな部下を見極める目を持たなければならない。

 チームで成果を出すことを目的に言っている意見なのか、ただ上司が気に入らないから反対意見を言っているのか…。一見すると見分けがつかない。普段の行動を見ながら時間をかけて見極める目を養わなければならない。

 一方、上司は、「自分の意見とは異なるが、会社全体のことを考えると、部下が言っていることに一理ある」と考えられる視野の広さと心の余裕が求められる。もちろん、全社のためにも自部門のためにもならないと判断できる意見であれば、その意見は単に楯突くものとして却下すればいい。

 多様性を実現し、活かしていくために、上司は異質の意見を受け止める寛容さと人間観察力を養う必要がある。

日本産機新聞 2020年9月5日

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