2024年11月21日(木)

超薄型の精密位置検出器 –三菱重工工作機械–

リニアモータにも対応

 三菱重工工作機械(滋賀県栗東市)は、機械の位置決め・送りなどをデジタル検出する超薄型の精密位置検出器「MPFAシリーズ」(写真)を開発、7月から本格販売を開始した。

 主に工作機械向けに販売してきた「MPスケール」の特長を活かし、スケール部分を薄型にすることで、軽量で巻き取り可能なテープ式とした。また、コストを抑えたつくり込みにより低価格での提供を実現した。高精度・高速な制御を求める産業機械分野の需要に対応する。

 MPFAシリーズは、分解能0・1μm、応答速度30m/秒と高分解能・速度を実現。より高速・高精度な制御を求めてコイルと磁石で駆動するリニアモータと精密位置検出器を組み合わせた駆動方式の需要が高まる中、従来10㎜程度あったスケール部分の厚みを、テープ式を用いて0・4㎜まで薄くしたことで、リニアモータのステージ(台)の中に入る薄型のスケールとした。また、完全非接触構造とすることで、経年変化による精度劣化を無くし長期的に高い精度の位置検出が可能。

 工作機械業界では、長時間かけて精度高く加工することが求められるため、産業用機械向けのスケールよりも高精度な位置検出器が用いられる。また、加工時の切りくずや油などが発生する環境にも強い検出器を必要とする。MPFAシリーズは、これらのニーズに対応した既存検出器の特長を継承。電磁誘導方式を採用してゴミ・油・結露などの環境に対する耐久性を有し、高精度な検出器となっている。

 さらに、パソコンに接続するだけで、スケールとヘッド間の隙間や現在位置を数値表示できるモニター機能“MP VIEW”を標準装備。組み立て時の調整や保守にも便利な仕様となっている。

日本産機新聞 2020年8月5日

[ 日本産機新聞 ][ 測定工具 ][ 製品 ] カテゴリの関連記事

【連載企画:イノフィス、次なる戦略②】折原  大吾社長インタビュー
作業や業界に特化した製品開発

イノフィス(東京都新宿区)は今年8月、腰補助用装着型アシストスーツ「マッスルスーツ」の新しいモデル「GS-BACK」を発売した。既存モデルの「Every」に比べ、軽量で動きやすく、これまで以上に幅広い現場での活用が期待さ […]

TONE 本社を河内長野工場に移転

TONEは、本社を同社最大拠点である河内長野工場に統合、移転した。9月26日から業務を開始した。 今回の統合により、開発、製造、営業企画、品質保証、管理の各部門と経営を一体化。部門間のコミュニケーション向上を図り、一層綿 […]

エヌティーツール 福岡県筑紫野市に九州事務所を開設

ツーリングメーカーのエヌティーツール(愛知県高浜市、0566-54-0101)は福岡県筑紫野市に九州事務所を開設し、九州地域での迅速かつ細やかなサービスを提供することで顧客の課題解決に応えていく。住所は福岡県筑紫野市原田 […]

トピックス

関連サイト