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この人に聞く
牧野フライス製作所 髙山 幸久 営業本部長
自動化や5軸、IoTの活用など生産技術が進化し、金型づくりの高度化は加速している。一方で、自動車業界が「100年に一度の変革期」と言われるように、ユーザー業界の変化は過去にないほど激しく、今後の金型経営はますます難しくなっている。金型向けに強い、牧野フライス製作所の髙山幸久営業本部長に、工作機械メーカーから見た金型づくりの進化や未来について聞いた。
機械だけでなく
サービス通じ顧客を支援

工作機械業界から見た金型の市況感は。
2018年度の工作機械業界は過去最高だったが、19年度は約3割減の水準に落ち込んでいる。しかし、金型向けの減少幅は小さい。なかでも、特徴的なのが5軸加工機の動きで、他の機械に比べ、落ち込みが非常に小さい。積極的な金型メーカーは5軸などに投資しているのだと思う。
同時5軸加工を推奨してきた結果でしょうか。
面ごとのデータ作成などの作業が必要な割出し5軸に比べ、同時5軸のほうが生産性は高いし、そうした提案を続けている。しかし、機械性能を高めていくことは重要だが、もっと生産性を高めてもらうには、機械単独でなく、加工全体で提案する必要がある。

どういうことでしょう。
ボトルネックが機械とは限らないからだ。CAMや段取りに課題があるケースもある。だから、3軸データをクラウド上にアップすれば最適な5軸パスを出せたり、ワークを撮像し、測定プログラムを組んだりするなどの様々なサービスを提供している。IoT技術を活用し、リモートで加工相談に応じる仕組みも構築した。こうしたサービスは5軸に限った話ではない。ワイヤ放電でもネットワークを通じて、常に最新の加工条件を提供したりしている。

カバーする領域が広がっていますね。
今後は今まで以上に機械単独の提案ではなく、お客様ごとの本当の課題を把握し、加工全体を支援できるコンサルタント的な役割を果たす必要があると思っている。
自動化もトータルでの提案が必要です。
昼夜機械を稼働させるという意味では、金型と部品加工の自動化は垣根がなくなってきていると思うが、金型は一品一様で、それに応じた自動化の方策はあると思う。数年前からAGV(無人搬送車)にロボットアームを搭載し、工具やワーク搬送できるロボットシステム「iAssist」も提案してきたが、改善の余地はある。
例えば。
ハードや使い方の改善はもちろんだが、売り方もそうだ。AGVを活用する自動化に何千万円と投資に踏み切れないお客様もいる。そうであればリースでお使い頂くようなやり方があってもいい。使って頂かないと課題も分からない。
今後の金型業界をどうみるか。
金型がなくなることはない。金型の精度が高まればニアネットシェイプが広がり、ユーザーもメリットは大きいからだ。ただ、軽量化の一つをとっても、従来の延長線上にない金型が求められている。大変革の真っただ中にあって、難しい時代だと思う。そんな時だからこそ、金型メーカーに育てられてきた当社としては、機械だけでなく、サービスを通じて、お客様をサポートできる存在になりたい。
日本産機新聞 2020年4月5日
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