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どうなる2020年 〜機械工具需要見通し〜
5Gや自動化投資に期待
2020年は継続する米中貿易摩擦に加え、イランでの軍事衝突、コロナウイルスの発生など、先行きが見通しづらい混迷の中でスタートを切った。機械工具業界もこうした地政学的な影響から、新年会では「読みづらい」との意見が多く聞かれた。しかし一方で、自動化や第5世代通信(5G)向けの投資など確実に拡大する分野もあり、こうした需要は年後半に大きくなるとの声も多い。機械工具関連団体の2020年の見通しをまとめた。

ロボは6%増 機械、測定は横ばい
工作機械、前半に底打ち
日本工作機械工業会は20年の受注額見通しを19年実績比2・5%減の1兆2000億円とした。内需は経済対策や自動化・省力化投資の発現、5G関連の投資が期待される。外需は米中貿易摩擦の影響から全体的に軟調に推移すると見られ、中国経済を中心に停滞感が続くと見通す。
足元では世界各地の景気後退や米中貿易摩擦の影響から設備投資が落ち込んでいるが、20年前半に上向く見込み。飯村幸生会長は「一進一退の局面が続くが、国内外の生産技術革新に向けたニーズに支えられ徐々に好転し、今年前半に底を打ち、緩やかに反転していくと期待する」としている。
日本ロボット工業会が発表した20年の受注額は前年比6%増の8700億円と見通した。「業界によって差もあるが、全体的には緩やかな回復傾向にある」(橋本康彦会長)とみる。
伸びを支えるのは、少子高齢化による根強い自動化投資に加え、5G関連向けの半導体業界の投資だ。橋本会長は「昨年は半導体向けが落ち込んだが、昨年11月ぐらいから上向いている」という。さらに「きっかけがあれば一気に加速する」。
日本精密測定機器工業会は、20年の出荷額目標を19年実績(見込み)と同水準の1050億円とした。中川徹会長は「20年は地政学的リスクが多く、大きく期待し難い。一方、自動車業界はCASEなど変革期を迎えており、研究開発向けの投資は期待できる」とみる。
19年出荷額は過去最高の18年(1163億円)に比べ10%減少にとどまった。品質関連の不正問題や、製造現場のデジタル化によるデータの取り込みなどを背景に、測定計
測ニーズは拡大しており、「測定計測機器の需要が底上がっていると感じる」(中川会長)。
切削は年後半に期待
日本機械工具工業会は暦年の見通しを発表していないが、19年度の生産額を前年度比3・4%減の5014億円としている。ただ、19年4‐12月までの累計は3629億円。3カ月での目標到達は厳しい状況にありそうだ。20年は「年後半には期待」とする意見も多い。11月決算のオーエスジーは上期に在庫調整があるとみたうえで、前期比1・6%増の売上高1290億円を見込む。
工作機器も回復の兆し
日本工作機器工業会も暦年見通しは発表していないが、19年度の販売額を前年度比18%減1870億円としている。足元の4‐11月の販売額の累計は1187億円で、切削同様、目標達成は厳しそうな気配だ。ただ、寺町彰博会長は「20年は、IoTなどデジタル投資などが不可欠になので、期待できるのではないか」としている。
日本産機新聞 2020年2月5日
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