2026年10月5日(月)

この人に聞く
岡本工作機械製作所 石井常路社長

 研削盤メーカーの岡本工作機械製作所(群馬県安中市、027-385-5800)は今年5月、2019年度から21年度までの中期経営計画を策定した。「安定した収益を確保できる企業への変革」をビジョンに掲げ、アフターサービスの拡充、海外市場の開拓などに取り組み、景気の減速局面でも安定した収益基盤を構築する体制づくりを進める。22年3月期には売上高380億円を目指す。石井常路社長に具体的な取り組みや今後の方向性などを聞いた。

安定した収益基盤を構築

「安定した収益を確保できる企業への変革」をビジョンに掲げた理由は。

 前回の中期経営戦略では、売上拡大を目標に掲げ、目標売上高320億円に対して360億円と大きく上回ることができた。一方、過去の当社の売上高の推移をみてみると、景気動向などによって必ず浮き沈みがあり、次の3年では前回ほどの大きな成長は期待できないかもしれない。こうした減速局面の中でも安定した収益基盤を築くことができる企業体質に変えていくことが今回のビジョンの狙いだ。

具体的な取り組みは。

 大きく3つある。1つは、「顧客付加価値の強化」。「BtoBからBwithBへ」をスローガンとし、今まで以上にユーザーとの距離を近づけ、ニーズに応えていきたいと考えている。特に最近はIoTや機上測定、ロボットといった技術によって、稼働状態が監視できたり、自動で1μmの加工を追い込めたりと、今までにない新しい提案が可能になっている。ユーザーから困りごとを聞き出し、高い付加価値が提供できる体制をつくっていく。

アフターサービス拡充

そのためには。

 アフターサービスの拡充、強化に取り組む。今まで製造部門の中にあったサポート部門を独立させ、「カスタマーサービス本部」として立ち上げた。また、パーツセンターを充実させ、アフターパーツの即納体制も確立する。付加価値の高い機械やシステムを販売するだけの「売り切り型」ではなく、今まで以上に顧客に寄り添いながらサービス面でも高付加価値化を追求し顧客満足につなげたい。

2つ目の取り組みとは。

 「グローバル戦線拡充」だ。現在の海外比率は約4割。今後はこれをさらに引き上げたいと考えている。そのためには、国や地域ごとに適した機種の販売を強化することに加え、今まで国内のみだった超高精度機種などを海外でも展開していく。

 そして3つ目が、「モノづくり改革」。特に技能伝承に取り組んでいきたいと考えている。デジタル化を進めたり、熟練者の作業をビデオで撮影し技能教育に活用したりすることで技能者の育成に注力する。当社は現在、日本、タイ、シンガポール、中国で生産しているが、将来的にはどこで作っても同じ品質の機械が提供できるようにしたい。

今後、研削加工はどうなるか。

 工作機械のうち、研削盤が占める割合は5%ほど。ただ今後、EVやIoTなどによって電子部品を始めとした精密部品の需要が増加すると予測されており、研削加工の出番は増えるのではないかとみている。動向を常に注視しながら、需要を取り込んでいきたい。

 

日本産機新聞 2019年12月5日

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