2022年12月5日(月)

この人に聞く
ハイウィン 中田 修由専務

設立20周年を迎えて

 台湾のメーカーであるハイウィン(神戸市中央区、078-262-5413)は、ボールねじやリニアガイドウェイ、モータ、減速機、回転テーブル、ロボット、ロボットハンドなど多様な製品を手掛け、今年11月で日本法人設立20周年を迎える。1999年に神戸市からスタートした同社は高品質とコストパフォーマンスの良さで、工作機械メーカーをはじめ、様々な産業で使われる世界屈指のメーカーに成長した。立ち上げ時から同社に在籍する中田修由専務は「時代の変化と共に台湾も工業国として力を付けた」と強調。製造業は今、変革の時を迎えているが、同社のこれまでの道のりと今後の方向性を中田専務に聞いた。

ワンストップでコストダウン

設立時は。

 当時は機械部品を製造する台湾メーカーも少なく、当社もボールねじだけで、日本で受け入れてもらえる状態ではなかった。日本の各メーカーは顧客との関係性も強く、「安かろう悪かろう」のイメージの中で使ってもらうまで時間がかかった。

発展のきっかけは。

 1つは貿易摩擦により政府の働きかけで輸入品の奨励が行われ、当社のボールねじが採用される動きが高まった。使用してもらうと、品質も良く、コストパフォーマンスも高いため、リピーターが増えた。工作機械メーカーなど厳しい品質が問われたが、現在も継続して使ってもらっている。

ボールねじほか幅広い製品を生産している。

 急激に伸ばせたのは、リーマンショック前に本社が大規模な設備投資を計画し着実に実行したことでリーマン後の大きな需要に対応できた。日本も兵庫県・明石に在庫と2次加工ができる工場を設け、営業拠点も東北から九州まで全国10カ所に増やし、社員も200人になった。

今後の戦略は。

 工作機械や鍛圧機械、半導体製造装置など日本市場は大きい。その中で当社の幅広い製品群を活かし、顧客ニーズに合わせたシステム化や部品のモジュール化などカスタマイズも含めトータル提案を図り、顧客のコストダウンに貢献していくこと。他社に比べ、当社は直動機器のみならず、モータや減速機、ロボットなど幅広い製品を揃えている。普通なら、ボールねじはA社、ガイドはB社、モータはC社など、何社も取引して装置などを製造するもの。それが当社だけで揃うため、ワンストップによるコストダウンの提案ができるのが強み。さらに、人手不足もあり、今後は部品を組み合わせたモジュール化などを強化する。

エンジニアリング強化ですね。

 装置メーカーはそれぞれノウハウを持つが、駆動系のノウハウを持つ企業は少ない。当社は駆動系のプロフェッショナルなので、駆動部分に関して当社に任せてもらえるような体制にしたい。部品単体で売るのではなくアッセンブリした形で最適な価格を提供する。また、5軸加工向けの回転テーブルにも注力する。当社のモータで動かすため、工作機械との同期も良く、3軸加工機を5軸に変化させやすい。

IoTにも取り組んでいます。

 日本ではまだ導入されていないが、ボールねじの診断システムを開発している。例えば、工作機械を24時間フル稼働させたい、そのために生産ラインを止めないといったニーズが出ている。ボールねじにセンサを内蔵し、温度や振動を検知して独自のアルゴリズムで解析し、部品の保全に役立てている。

21年に新工場が稼働

2021年に新工場(神戸市西区)が稼働予定です。

 新工場の敷地面積は約2万5000㎡で約100億円を投じ、従来の物流倉庫と2次加工しつつ、顧客ニーズによってカスタマイズしたシステムや部品のモジュール化、ロボットなどのエンジニアリング部も配置する予定だ。日本特有の特殊なニーズもあるため、特殊なボールねじやガイドが製造できる工作機械なども設備する。規格品は台湾で量産体制が整っているため、棲み分けている。

ロボットの販売も同時に本格化させると。

 日本で販売していくのは間違いない。そのための教育やメンテナンスなどサービス体制が整っていなかった。ロボットを販売する上で中途半端な体制ではいけない。国内はますます自動化ニーズが高まっており、今は10人ほどのエンジニアを20人に増やし、ロボットの実証実験ができる場所も新工場内に設ける。

商社との関係は。

 大きな日本市場を我々だけで営業するのは難しく、細かな動き(対応)も必要だ。だからこそ商社とのタイアップは重要。今後はシステムやモジュールなど専門性も必要になるため、我々の製品やサービスを深く知ってもらうための勉強会に力を入れる。これまで営業所単位で任せていたが、もっとシステム化した教育プログラムを設け、充実した内容にしたい。

注目する市場は。

 大手自動車メーカーも環境問題に注目しており、今後、油や空気は使わない流れになるのではないだろうか。そうすると、電動化が様々な形で必要になる。当社も製品のバリエーションを増やし、キーコンポーネントを全部持つことでトータルソリューションによるユーザーの課題解決を図る。

日本産機新聞 2019年11月20日

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