2022年12月1日(木)

JIMTOF2018 〜総集編〜 広がるIoTの活用

稼働監視し未然に保守 工具の欠損時期を予測

 工作機械や周辺機器などでIoT(モノのインターネット)を活用する技術が進化している。保守や工具交換時期を検知したり、人工知能(AI)で最適な条件を導き出し加工したり。新たなアプリも次々と登場するなど、応用する分野が広がっている。最新の活用技術は。普及する鍵は。JIMTOF2018で探った。

出展機の稼働状況を一括表示
機器でもIoT化の動き
メンテナンス時期を予測

 11月6日までの6日間、東京ビッグサイトで開催された「JIMTOF2018」。今回の「主役」の一つが機械や機器などをインターネットでつなぐ「IoT」だった。企画展示では会場を一つの工場に見立て、73社の展示機器約300台を接続。各プラットフォームを介して大型モニタで稼働状況を一括表示した。

 日本工作機械工業会の稲葉善治技術委員長(ファナック会長)は「つなぐことは既にできる。大事なのはそこから何をするか」とIoT活用における今後の課題についてそう強調した。前回展(16年)では言葉が先行していたが、今回は現場で実用できる新たなIoT活用法が登場した。

 目立ったのが保守監視サービス。ヤマザキマザックが発表した「Mazak iCONNECT」は機械をクラウドにつなぎ、ウェブ上で稼働状況を把握。保守や加工プログラムのバックアップを支援する。

 AIを使った活用法も披露された。オークマは主軸に独自の振動センサを搭載。AIを活用し異常具合をグラフ化することでメンテナンス時期を予測できる。碌々産業ではセンサでの機械状態の監視に加え、集積したデータをAIで分析。工具欠損時期の把握や熱変位補正の自動化につなげる。

 機器や工具でもIoTの活用が広がっている。THKはリニアガイドにセンサを内蔵し、損傷具合などのデータをオンラインで管理・分析できるサービスを展示。日本エスケイエフでもスピンドルをオンラインで状態監視できる装置を展示した。機器の状態を把握できることで詳細な故障原因の特定が可能になるという。

 工具ではサンドビックが独自のIoTプラットフォームと機器にセンシング機能を持たせた製品を披露。アダプタにセンサを内蔵しブルートゥースで外部にデータ配信できる工具や、センシング機能を搭載し振動を検知できるホルダを展示した。

使えるアプリ、続々

 データを有効に活用できるアプリケーションの開発も進む。ファナックが提供するプラットフォーム「フィールドシステム」では28個のアプリが提供可能になり、同様の「Edgecross」では年内にも10個以上に増える予定だ。

 ただ、活用に向けた動きが活発化する一方で、ある機械メーカーは、「各社ともまだ模索段階」と話す。大手ユーザーではセキュリティ面の不安からネットワーク接続を嫌う傾向にあるほか、中小ではネットワーク化が未整備という企業も多く、導入までのハードルは依然として高い。

 今後はこうした課題をいかに解決していくかが鍵となる。「全ての企業がメリットを享受できるような仕組みを構築したい」(稲葉技術委員長)。

日本産機新聞 平成30年(2018年)12月5日号

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