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〜生産現場を訪ねて〜
トップ工業(新潟県三条市)
自社一貫生産を徹底 ロボット導入で効率化
作業工具メーカーのトップ工業(新潟県三条市、0256・33・1681)は、旧日本陸軍の主力戦闘機「隼(はやぶさ)」を生産していた中島飛行機の鍛造工場として創業し、戦後から作業工具を手掛け始めた。日本で最初にモンキレンチのJIS規格を取得、その後はラチェットレンチや先端工具など製品を拡大。現在ではアイテム数2000を超す総合メーカーへと成長した。こうした多種多様な工具をいかに生産しているのか。自社の一貫生産体制や自動化を進め、競争力の高い製品を作り続ける同社の本社工場を取材した。
トップ工業の最大の特長は、一貫生産体制にある。3棟の工場で製品を材料切断から金型、鍛造、機械加工、熱処理、組立、検査まで自社で手掛けて製造している。「自社一貫生産することによって、ユーザーの要望に対して素早く対応できる」(丸山常務)
こうした生産体制がとれるのは同社の歴史に寄るところが大きい。同社は元々、「三条市に大きな工場を作ろう」と地元の出資者たちによって設立された会社。地域を挙げての支援によって、熱処理設備や鍛造加工機など大きな設備負担も抱えることができた。加えて、三条市は江戸時代から鍛冶屋の街として栄えたため、優秀な職人や、“はつめ”(新潟弁で「器用」を意味する)な人が多く、技術的な素地もあり、生産技術の開発、生産が進められた。
作業工具の製造が可能になったのは、中島飛行機の鍛造工場時代に培った鍛造、金型、熱処理技術という土台に、機械加工の技術が加わったから。まるで要塞のような専用機を独自開発し、例えば7工程ほどかかる穴や形状加工を1台で可能にしたほか、溝やウォームなどの複雑形状の加工も精度良く仕上げることができる。また、治工具や機械の保全も内製化し、専門部隊が日々こうした機械や治工具の整備を行っている。
効率良く一貫生産するためにロボット化による自動化にもいち早く取り組んでいた。ロボットメーカーと共同開発したロボットを導入し、鍛造品の外周のバリ取りやワークの搬送を自動化。以前より後継者に苦慮していた外注のバリ取り研磨を社内ロボット化し、効率化及び外注後継者不足対応に寄与している。
今後の課題として、こうしたロボットや機械をより効率的に動かすことができるプログラマーの育成が挙げられる。「刃付けなどの技能者育成も重要課題。時代によって技術は進化し今までできなかったことが機械やロボットで可能になる。それをどう動かすか、そのノウハウを持った人材の育成が欠かせない」(丸山常務)。経験を積ませ、質の高いプログラムを作成できる人材を育てる考えだ。
その一方で、生産管理の見直しによる効率化なども進める。現在の生産はモンキレンチとラチェットレンチが多く占めている。ただ、増加傾向にあるのが、動力機器の先に取りつける先端工具。比率が高まり、現在アイテム数は220~230点に増えた。「量産化するアイテムも変わってきており、生産効率化に向けた取り組みも進めなければならない」(丸山常務)。
「今後とも工事、生産現場での工具需要はなくならないだろう。当社が持つ鍛造と金型、機械加工の高い技術力をベースに、ユーザーのニーズに合った工具を開発、製造していきたい」(丸山常務)。
会社概要
住所:新潟県三条市塚野目2190‐5
敷地面積:2万1780㎡
建物面積:8910㎡
生産品目:モンキレンチ、ラチェットレンチ、先端工具などの作業工具類
従業員数:130人
日本産機新聞 平成30年(2018年)11月20日号
TONEは、本社を同社最大拠点である河内長野工場に統合、移転した。9月26日から業務を開始した。 今回の統合により、開発、製造、営業企画、品質保証、管理の各部門と経営を一体化。部門間のコミュニケーション向上を図り、一層綿 […]
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