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機械工具 値上相次ぐ
原材料費高騰が影響
仕入れ先見直しの動き
機械工具業界で製品の値上げが相次いでいる。今春、切削工具では超硬工具、ハイス工具ともに10〜25%ほどの価格改定が行われたほか、歯車やベアリングなどの要素部品メーカーも一部製品で数%の値上げに踏み切った。また、その他の工具や設備メーカーでも価格を見直し始めている。背景には原材料費の高騰や人件費、輸送費の上昇などが挙げられ、今後も値上げの動きは広がりそうだ。ユーザーの中には、価格改定によって仕入れ先を見直す動きも出るため、機械工具商には慎重な対応が求められる。
人手不足、輸送費増が拍車
住友電気工業では今年3月、13年ぶりに超硬工具の価格改定を発表した。インサートやソリッド工具、特殊工具の価格を10~15%値上げする。三菱マテリアルでは、超硬工具に加え、ハイス工具の価格も10~25%値上げすると発表した。両社とも4月受注分からとしているが、価格表などの準備が整っておらず、「6月ごろにずれ込むのではないか」というのが大方の見方だ。
歯車やベアリングなど要素部品メーカーでも値上げの動きが出ている。小原歯車工業では4月出荷分から鋳物製品を重量によって数%~20%ほど値上げ。協育歯車工業でも黄銅やアルミニウム青銅材製品などで数%~10%ほどの値上げに踏み切った。また、ベアリングや要素部品メーカーでも一部製品で数%の価格改定を行っている。
その他にも各種工具や機器、設備などで値上げの動きがみられ、中には初めて標準品の価格改定を行ったという電気設備メーカーもあった。
こうした動きの大きな理由の一つに原材料費の高騰が挙げられる。鋳物や工具鋼の原材料となる鉄スクラップの価格は、2018年3月時点で1t当たり3万6500円前後と1年前に比べ、2割ほど上昇している。また、スクラップを溶かす電炉に使われる黒鉛電極の18年の国際価格も、17年の3倍以上となっている。
また、需要の増加によって価格が上昇している材料もある。超硬工具に使われるコバルトやタングステンだ。リチウム電池の原料として使われるコバルトは、電気自動車の世界的な普及によって需要が高まり、16年比で3倍以上まで価格が上がっている。タングステンも、鉱石の生産量の8割以上を占める中国が環境規制によって、供給がひっ迫し、1年前に比べ5割ほど価格が高騰している。
原材料費の高騰に加え、人手不足による人件費の上昇や輸送コストの増加なども値上げの理由の一つ。今後、値上げを検討しているメーカーも多く、ある部品メーカーでは「このままでは利益が圧迫されるため、値上げの可能性は十分にあり得る」と話す。
一方、ユーザー側では、こうした値上げによって仕入れ先を見直すという企業も出始めている。ある部品加工メーカーでは「ネットで価格を比較し、ルートを切り替えた商材もある」という。機械工具商にとっては、メーカーとユーザーの動向を常にみながら、注意深い対応が必要となるだろう。
日本産機新聞 平成30年(2018年)4月20日号
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