2026年1月7日(水)

好調続く、切削工具
18年度過去最高も視野
次世代自動車への対応課題

 切削工具の需要が高い水準を維持している。日本機械工具工業会(牛島望会長・住友電気工業専務取締役)は昨秋、2017年度の出荷額見通しを前年度比6.9%増の4737億円に上方修正した。自動車、工作機械、ロボット、建機など主要ユーザーはおおむね好調で、18年度は「過去最高の5000億円を目指したい」(牛島会長)と意気込む。好調を維持する一方、次世代自動車の登場などで工具需要を取り巻く環境も変化しており、各社新製品の開発や増産など対応を進めている。

小型部品加工ニーズ増える

 1月に都内で開かれた新年会で牛島会長は「18年度は5000億円を目指したい」と述べ、15年の日本工具工業会と超硬工具協会の合併以降、一つの目標としてきた5000億円もみえてきた。17年度の出荷額は4737億円を見込んでいるが、「過去最高の4870億円程度になるのでは」(牛島会長)としており、そうなれば5000億円は数%程度の伸びで、十分達成可能な数字だ。ある工具メーカー社長も「内外需ともに好調で十分達成できるのでは」と話す。

 自動車をはじめとする切削工具の主要ユーザーの足元は固い。17年の国内自動車メーカーの世界生産台数は前年比4.4%増の2867万台。トヨタ自動車はグループ全体で18年の生産計画を前年比1%減の1039万7000台と、ほぼ同水準を見込んでいる。

 工作機械やロボットなど切削工具の周辺需要も見込まれる分野も、18年はそれぞれ1兆7000億円、1兆円の受注を見込んでおり、先行きは明るい。コマツの17年4~12月期決算の売上高は1兆8058億円と前年同期比で47.2%も伸びるなど、建機も中国をけん引役に好調を維持している。このように業界を取り巻く環境はおおむね好調で、地政学リスクなどもあるが、「悲観的になる要素はない」とする見方が大半だ。

 一方、中長期的な課題といわれるのが、次世代自動車の登場による、工具需要の変化だ。牛島会長は「自動車メーカーでも断言できる人はいないのではないか」と見通しの難しさを話すが、「現実的に、電気自動車や燃料電池車、プラグインハイブリッドなど混在しながら進み、エンジンやトランスミッションがゼロになることはない」とみる。

 むしろ新たな工具需要が生まれチャンスとみる向きもある。あるメーカーの社長は「電動化や自動運転化で電子部品が伸びる。小径や小型部品加工のニーズは増える」とし、増産を急ぐ。電動化で自動車が重くなるので、軽量化ニーズも好機とする声もある。「アルミや樹脂など軽量化に関する加工要求は増える。そうした需要を取り込める工具開発を進める」(ある工具メーカー幹部)と話すなど、次代をにらんだ開発を進めている。

日本産機新聞 平成30年(2018年)2月5日号

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