2022年6月25日(土)

〜生産現場を訪ねて〜
牧野フライス精機(神奈川県愛甲郡)
新工場を設立 生産能力が1.5倍に

牧野フライス精機 第1工場外観
第1工場外観

 工具研削盤メーカーの牧野フライス精機が、生産工場の建て替えを進めている。昨年3月に第1工場、今年9月に第2工場を完成させ、2019年3月には部材などを保管するパーツセンターとして機能させる第3工場を建設する予定だ。「1965年に会社を設立して以来、ここまで大掛かりなリニューアルは初めて。第二創業のつもりで取り組んでいく」(清水大介社長)。設立50周年という節目を超え、大きな転換期を迎える同社の生産工場を取材した。

ソリューションセンターも併設

清水大介社長
清水社長
 工具研削盤は、切削工具を製造、再研削するための工作機械。同社では工具研削盤のほかに、溝や刃付け工程前の円筒素材にステップ加工を施す「段研」という加工ができる円筒研削盤や、できあがった工具を検査する工具測定装置までを手掛けている。清水社長は「ここまで切削工具の製造に必要な機械をそろえているメーカーはほかにない」という。

 同社は創業以来、「ジャパンメード」にこだわり、日本での生産を続けている。日本製の高精度な部品と高度な技能を持った技術者によってつくられた同社の機械は、1本1本の加工精度はもちろん、連続加工時の精度安定性にも優れている。

 会社設立以来初となる生産工場の再構築計画は、総投資額約30億円をかけ、工場や事務棟など5棟の建物を取り壊し、新しく3つの工場に建て替えるというもの。第1工場と第2工場が生産工場で、第3工場は主にパーツセンターとして機能させる。

高精密CNC工具研削盤 AGE30
高精密CNC工具研削盤「AGE30」

 この大がかりな計画に乗り出した最大の目的が、「生産能力の強化」だ。旧工場では生産スペースや設備が足りず、拡大する需要に対応できなかった。特に、同社の主力機種である高精密CNC工具研削盤「AGE30」の本体重量(6.3t)に対応できる生産設備が少なく、まとまった台数を受注するのが難しかった。

 新工場では、最大7.5tまで対応できる設備を第1工場、第2工場ともにそろえたほか、工場内を最大限に活用できる建築設計にし、十分な生産スペースを確保。月産2~3台だった「AGE30」は、最大で月10台まで生産可能となった。また、工場全体の生産能力では、第3工場完成の時点で1.5倍まで向上し、人員を増強すれば2倍まで引き上げられるという。

牧野フライス精機 第2工場内部
第2工場内部

 2つの工場の内、「生産の本丸」とされるのが第2工場。2階建て構造で、1階には5~6台が生産できるラインが4本。2階では、汎用機を中心とした機械のほか、ローダや砥石交換装置、軸などの周辺部品を製造する。

 一方、第1工場は生産に加え、オフィスや会議室、食堂などを併設したほか、加工テストや研究開発を行うソリューションセンターも設置。「今後は機械単体だけでなく、周辺機器や加工技術も含めたトータルでの提案が求められる」(清水社長)と顧客への提案力強化に活用する。

牧野フライス精機 第1工場内部
第1工場内部

 工場を再構築したもうひとつの目的として、「物の整流化」がある。旧工場では、部材や仕掛品などを保管する十分なスペースが確保できず、工場内の整理整頓が万全とはいえなかった。第3工場をパーツセンターとして機能させることによって、その課題を解消し、作業効率を上げていく。また、「良い製品をつくることはもちろんだが、それをつくる環境も大事。『見せられる工場』にすることで、顧客の信頼を得られるようにしたい」(清水社長)。

 今後については、「日本は生産地が品質保証につながる数少ない国。これからも日本でつくり続けていくことは変わらない。生産力を高める取り組みを継続し、顧客に選ばれる企業を目指していく」(清水社長)としている。

住所=神奈川県愛甲郡愛川町中津4029
敷地面積=6000㎡
延べ床面積=第1工場3353㎡、第2工場2116㎡、第3工場2000㎡
生産品目=工具研削盤、立形円筒研削盤、プログラミングシステム
従業員数=125人

日本産機新聞 平成29年(2017年)12月20日号

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