国内の製造業は人工知能(AI)普及によるデータセンターの需要拡大、造船業界の復活、航空宇宙・防衛産業など需要が沸き起こる一方、イラン情勢や中国との経済摩擦による原材料の高騰、供給不足など課題も浮き彫りになり、日本の製造業 […]
この人に聞く2017
ミツトヨ 沼田 恵明 社長
開拓者の精神再び
測定機器は生産財へ

80年前、マイクロメータの国産化に初めて成功し、現在は測定工具で圧倒的なシェアを持つ世界的な企業へと成長したミツトヨ。しかしその一方で、「市場の変化に対応しているだけでは間に合わず、自ら変化を生み出していかないとさらなる成長は難しい」。こうした考えから、1月にスタートした中期経営計画では、「変革と挑戦」をテーマに据えた。
機械メーカーと協業も
その中で、とくに注力するのが新規事業への挑戦だ。昨年、その布石として米国のレンズメーカーとフィンランドの検査装置メーカーと業務、技術提携を結んだ。社内にも「開発営業課」という部署を設け、今ある課題の先を見越した、革新的なソリューションを生み出していく考えだ。
「今後、測定の在り方は大きく変わる。測定機器は測定室から出て、より製造現場の近いところで使われ、生産財と同じ扱いになる」と見る。そのため、耐環境性や設置面積など製造ラインに組み込み易い製品の開発も進める。昨年のJIMTOF2016で発表した加工機のそばで測れる三次元測定機「MiSTAR」はその一例だ。
また、こうしたニーズに対応するために、「生産財メーカーとタイアップしていくことも重要」。社内のシステム提案力を強化していくことに加え、積極的な協業も進める。さらに、「どの機械や装置を繋ぐかをコーディネートできる商社や販売店の役割は大きい」と流通への期待も示す。
創業家出身ではあるが、創業者である祖父とも、先日他界した父の沼田智秀氏とも仕事をした経験がない。創業家としての相談相手がいないからこそ、「第二の創業」という思いを強く持つ。「自分がリーダーシップを執って、創成期のミツトヨがそうであったように、新しいことにどんどん挑戦していく企業風土に変え、さらに会社を成長させていく」。
日本産機新聞 平成29年(2017年)5月25日号
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