2026年10月17日(土)

この人に聞く2017
ミツトヨ 沼田 恵明 社長

開拓者の精神再び

測定機器は生産財へ

ミツトヨ 沼田 恵明 社長
 沼田恵明氏(ぬまた・よしあき)1990年米国ノースカロライナ大学卒、リコー入社、98年退社後、同年ミツトヨ入社。2002年取締役、ドイツミツトヨ出向、04年米国ミツトヨ出向、10年常務、12年同営業本部長(現職)、15年代表取締役専務執行役員。広島県出身、51歳。
 今年3月、約10年ぶりに創業家から社長に就任した。2014年に創業80周年を迎え、次の100周年を目指していく中、「かつてのミツトヨが持っていた開拓者精神をもう一度取り戻し、若い世代とともに一から創業する気持ちで取り組んでいく」と意気込む。

 80年前、マイクロメータの国産化に初めて成功し、現在は測定工具で圧倒的なシェアを持つ世界的な企業へと成長したミツトヨ。しかしその一方で、「市場の変化に対応しているだけでは間に合わず、自ら変化を生み出していかないとさらなる成長は難しい」。こうした考えから、1月にスタートした中期経営計画では、「変革と挑戦」をテーマに据えた。

機械メーカーと協業も

 その中で、とくに注力するのが新規事業への挑戦だ。昨年、その布石として米国のレンズメーカーとフィンランドの検査装置メーカーと業務、技術提携を結んだ。社内にも「開発営業課」という部署を設け、今ある課題の先を見越した、革新的なソリューションを生み出していく考えだ。

 「今後、測定の在り方は大きく変わる。測定機器は測定室から出て、より製造現場の近いところで使われ、生産財と同じ扱いになる」と見る。そのため、耐環境性や設置面積など製造ラインに組み込み易い製品の開発も進める。昨年のJIMTOF2016で発表した加工機のそばで測れる三次元測定機「MiSTAR」はその一例だ。

 また、こうしたニーズに対応するために、「生産財メーカーとタイアップしていくことも重要」。社内のシステム提案力を強化していくことに加え、積極的な協業も進める。さらに、「どの機械や装置を繋ぐかをコーディネートできる商社や販売店の役割は大きい」と流通への期待も示す。

 創業家出身ではあるが、創業者である祖父とも、先日他界した父の沼田智秀氏とも仕事をした経験がない。創業家としての相談相手がいないからこそ、「第二の創業」という思いを強く持つ。「自分がリーダーシップを執って、創成期のミツトヨがそうであったように、新しいことにどんどん挑戦していく企業風土に変え、さらに会社を成長させていく」。

日本産機新聞 平成29年(2017年)5月25日号

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