2022年10月1日(土)

航空機20年間で倍増
ーボーイング エアバス需要見通しー

日本の航空機受注額 1兆8900億円(2015年度)

 航空機産業が熱い。日本の川崎重工業、IHI、三菱重工業、富士重工業の「重工4社」の航空機(機体・エンジン)生産現場は、超多忙にある。関連会社、新規に航空機産業に参入する企業も巻き込み、市場取りを一段と強める。航空機市場の拡大要因は、世界の人口増と「南アジア、中国、東南アジア、アフリカ、中南米、中東といった市場が世界経済をけん引」(日本航空機開発協会、JADC)が背景にある。世界の航空機の2大メーカー、米ボーイングとエアバス社は、「今後、世界の航空機数は、20年で現在の2倍以上に増える」と、している。

中国、東南アジアがけん引

航空機本体、エンジン受注額グラフ ボーイングとエアバスが昨年6月発表した民間航空機市場予測(2014年~2033、34年)は、「現在の2倍以上」の機数を必要としている。

 ボーイングの「2015年最新市場予測(CMO)によると、新造機需要は、機数ベースで前回予想よりも3・5%増の3万8050機、金額ベースで5兆6000億ドルになる。

 機数では、2014年の2万1600機から2034年に4万3500機に倍増する。うち58%がこの期間に納入され「市場の成長を支える」。

 また、旅客輸送量は、年平均約4・9%の伸びをし、「過去の成長トレンドの5・0%に迫る」とした。旅客数にすると、70億人以上、貨物輸送では年率約4・7%のベースで成長することになる。

 一方、欧州エアバスの「グローバル・マーケット・フォーカスト」(GMF)によると、年平均4・6%増の3万2600機の新造機(100座席以上)、貨物機(10トン以上)、金額ベースで4兆9000億ドルと予測する。

 内訳は、現在、世界で運航されている1万8500機の航空機が2033年までに1万9000機増加して3万7500台になる。

 機種別では、エアバスのA320やボーイングの737など、単通路型機が今後新たに2万3000機、カタログ価格で2兆2000億ドルの需要が生じると予想した。単純計算でエアバスとボーイングの違いは、エアバスが1年短く、機数にして1000機、金額にして7000億円低い。

 エアバスは、アジアの中産階級層が2033年までに4倍に増加し、大都市への人口集中と富の集中が進む結果、世界の航空大都市の数が倍増し、91都市に増加し、これらの都市は世界のGDPの35%を占め、世界の長距離航空輸送の95%以上が「それら大都市間を結ぶか経由する」と予測している。

エアバスA320neo
エアバスA320neo
※エアバス提供
ボーイング787
ボーイング787
※ボーイング提供

2016年新造機需要1270億円(ボーイング)
 ボーイングは、2016年の航空機ファイナンス市場が、新規参入の活発化で、市場規模は約1270億ドル(約15兆825億円)になるとした。予測によると、2016年は前年に引き続き顕著な需要を維持し、リース会社は新造民間機の納入にうち約40%を担うとしている。

日本の航空機受注額 1兆8900億円(2015年度)
 日本航空宇宙工業の2015年11月調査による2015年度の航空機受注額(調査協力会社24社、機体、エンジン、装備品)は、前年度比12・0%増の1兆8882億1700万円で、リーマンショック後の2009年比、89・8%増と拡大の一途にある。日本の製造業が全体的に低空しているのに比べ、航空機産業は「右肩上がり」を続ける。グラフ参照。

 機体とエンジンは、機体が前年同期比12・0%増の1兆1210億円、エンジンは同18・2%増の5942億円。装備品は、同4・5%減の1720億円で、機体のうちの本体が同50・4%増の3506億円、部品が同0・3%増の7705億円で、エンジンの本体は、同12・0%増の1465億円、部品が同14・7%増の4477億円。装備品以外はいずれも大きく伸びた。

 日本の航空機産業の構造は、ほぼ垂直型産業構だったが、今後は裾野を広げつつ、需要の山に挑戦することになる。

日本産機新聞 平成28年(2016年)3月25日号

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