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この人に聞く2016
タンガロイ 木下 聡社長
倍速加工でコスト削減
今春、新製品1000超投入
タンガロイは新たなブランドイメージ「TUNGFORCE」を掲げ、今春1000超のアイテムを一気に市場投入する。2月に販売店やユーザーら約1000人を招き、発表会も開いたほか、3月からは過去最大となるキャンペーンも実施する。倍速加工で顧客のコストダウンの提案をするという、木下聡社長に今回の狙いや今後の展開などについて聞いた。
―すごい数の新製品です。
「旋削、溝入れ、転削、穴あけの4分野で1050アイテムを揃えた。生産性を高めることができる工具ばかりだが、特徴は転削工具が多いこと。5軸をはじめマシニング加工が増えているのだから、転削で効率を上げたいというニーズが多く、それに応えた」。
―TUNGFORCEについて教えてください。
「全ての開発コンセプトは顧客のコストダウンを実現すること。そのためには高い送りや切込み、切削速度を速めるなど「倍速加工」で生産性を高める必要がある。それには設備、工具、クーラントなど環境が揃って効果が得られるものも多い。工具だけでなく、工具管理や加工ノウハウなど総合的に提案していく」。
―一気に発表した狙いは。
「高生産性の加工が必要だというイメージを作りたかった。それにはインパクトも必要だ。それ以上に重要なのは選択肢が増えること。どんなユーザーでも使って頂けるだけのアイテムがある」。
―どう市場に浸透させますか。
「世界中で発表会をするほか、3月から過去最大のプロモーションを行う。様々なメニューを設けているが、使ってもらえれば効果を出す自信はある。だが、タンガロイ単独では製品や情報を届けるにも限界がある。代理店や販売店の協力も不可欠だ。技術者も営業の前線に派遣するし、技術的なサポート体制も強化した。
―販売店に求めるものは。
「提案営業の重要性は皆さん理解されていると思うし、課題を解決することは大切だ。それ以上にユーザーの内情を熟知し、顧客自身が気づいていないことも問わなければならない。例えば、疑問を持たず、ある製品を使っている顧客に対し、違う選択肢があることを提示すことも必要だ。人にしかできないし、そうした提案を期待したい」。
―今後の展開は。
「今回の新製品投入は終わりじゃなくスタートだ。それは開発も同じ。商品サイクルが短くなっているので陳腐化も早い。今回1000超のアイテムを出したが、開発はさらに加速させていく。
日本産機新聞 平成28年(2016年)3月15日号
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