国内の製造業は変化の早さに柔軟に対応しつつ、熟練職人の高齢化や人手不足にも対応しなければならない時代に突入している。そこで注目を集めているのが変種変量生産(多品種小ロット生産)を実現する生産現場。常に変化する市場環境や素 […]
【Innovation!】脆性材・樹脂加工向け工具
半導体製造装置向けのニーズ高まる
半導体製造装置の部材としてセラミックスや石英ガラスなどの脆性材や、耐溶剤性の高い樹脂部品が増えている。脆性材は硬くて脆いため加工難度が高い、樹脂は加工しやすいが熱に弱く溶けやすいなど加工が安定しない難しさがある。ただ、半導体製造装置を中心に脆性材・樹脂部品ともに今後の拡大が予想されており、特化した工具の普及も進む。最新の脆性材・樹脂加工向け工具を紹介する。
アイゼン ダイヤモンド・CBN「レジンボンド砥石」

グループ会社のシオンダイヤモンドの技術とセラミックス加工のノウハウを活かし、新たなレジンボンド砥石を開発した。
主な特長は細かい粒度ながら切れ味を両立させた鏡面加工用の砥石で、精度が要求される部分や仕上げ面を良好にしたいユーザーに最適。要望に応じ砥石の切れ味や寿命のバランスも独自で設計できる。
軸付き砥石の社内テストでは難削材のSiC(炭化ケイ素)でも高い条件で加工を実現した。(例)加工機:マシニングセンタ、工具:φ35砥石長30-SD140P100、加工方法:側面使用、輪郭加工、周速:V300m/分、切込:Q0.05㎜、送り速度:F500㎜/分。設計~納品まで短納期で製作し、焼入れ鋼、超硬合金、セラミックスなどの研削加工で荒から仕上げ加工、鏡面加工に活用できる。
オーエスジー 硬脆材加工用工具「6C×OSG」

「6C×OSG」は、ジルコニア、アルミナ等のセラミックス材料、超硬合金など硬脆材料の切削加工を実現。加工コストを大幅に削減する。
超硬合金やセラミックス、石英ガラスなどの硬脆材は、ワイヤカットや型彫り放電加工、電着工具や軸付砥石を用いた研削加工といった加工方法が一般的だが、加工時間が長いという課題がある。
「6C×OSG」は、「切削」で高能率かつ安定加工をすることにより加工時間を削減(最大50%)し、加工コストを大幅(25%)に低減する。
製品ラインナップは、PCD-MRM(PCDラジアスエンドミル)14アイテム、PCD-MXD(PCDドリル)15アイテム、PCD-MCM(PCD面取り工具)3アイテム 、PCD-MTM(PCDスレッドミル)3アイテムの計35アイテムを揃えている。
兼房 PCD強ねじれエンドミル「SFエンドミル」

脆性材やスーパーエンプラ加工向けの工具需要を背景に、総合メーカーのノウハウを活かし、従来、設計に制限があることで切削性能に課題のあったPCDエンドミルと工具寿命で課題を持つ超硬エンドミルのメリットを兼ね備えた製品を開発。
主な特長はPCDすくい面加工技術とボディ設計の最適化を組み合わせ、強ねじれの形状をPCD刃で実現した。強ねじれ化に起因する高い切削性能で加工面粗度と加工形状精度の向上、刃具の長寿命化で生産のダウンタイム削減に貢献。
超硬半焼結材のような脆性材で切削抵抗を下げエッジの欠けを抑制しつつ、PCD化で刃具寿命を向上。樹脂材ではPCDの高い熱伝導率で加工点に切削時の熱を残さず、高品質と長寿命を両立。アルミやグラファイト加工でも刃具寿命や加工品質の向上が期待できる。
ダイジェット工業「無欠ドリル」

無欠ドリルは、セラミックスやカーボン、超硬プレス体や熱硬化性樹脂といった脆性材のノンステップ穴あけ加工ができるPCDドリル。ステップ加工を必要としないため、加工効率が向上し生産性向上に貢献するほか、製造コスト削減にもつながる。
超硬合金本体に多結晶ダイヤモンド焼結体(PCD)を採用し、長寿命かつ高精度・高能率加工を実現。センタースルー構造でねじれ角30度のエアー穴があり、それにより切りくず排出性が向上しノンステップでの穴あけ加工を可能にした。
セラミックス加工では爆発防止用の捨て板が不要になり、カーボン加工ではコバかけ解消、熱硬化性樹脂加工では陣笠やケバケバが解消されるなど脆性材ごとの問題解決にも貢献する。
クロダ「ウレタンバイト」

ゴムやウレタン、シリコンゴムなど弾性体のワークを、切り粉を出さずに突切り加工できる旋盤用工具。ゴム加工メーカーから「もっと手軽に誰でも弾性体を加工できないか」というニーズに対応した。
以前は職人が手作りしていた工具を規格化。黒田悦郎社長は「鋼用のバイトを使う人もいるが、面が粗くなり、歩留まりも良くない」という。ウレタンバイトは設備投資も不要で、旋盤さえあれば手軽に加工ができ、面精度も良い。従来工具の5倍で加工でき、効率向上につながる。
切り粉を出さないので、歩留まりもよく、環境への負担も抑制できる。弾性体の加工だけを外注に出す必要がなく、内製化にもつながる。シリーズとしてロウ付けタイプ2種のほか刃先交換タイプをラインアップしている。
三洋工具 軟質ゴム加工用エンドミル「VMQE」

シリコンゴムやウレタンゴム、クロロプレンゴム、スポンジゴムなどの軟質ゴムは軟らかい上、弾性が強く、一般的な工具では精度の確保やバリ発生の防止が困難だ。
そこで開発したのが軟質ゴム素材に特化した専用のエンドミル。従来、ゴムの弾性で寸法精度が出にくい、バリや引き裂き(ムシレ)が発生しやすい、切屑が伸びやすいなど課題に対し、三枚刃設計で切削効率と安定加工を実現。左ネジレ設計でワークを持ち上げず、バリ発生やワーク変形を抑制。刃先が点で切削する形状(点切削刃型)により切削抵抗の低減と面粗度の向上を図り、軟質ゴムの溝入れ、側面、穴あけ、座グリ加工などで効果を発揮する。外周刃にニックを施しており、切屑の微細化で切屑排出性能も高めている。
日本産機新聞2026年3月5日号
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