2024年10月6日(日)

関西作業工具協同組合
将来ビジョン策定

関連情報の提供、製品のPR

取り組み課題を提言

 関西作業工具協同組合(宮川恭一理事長・レッキス工業会長)は、組合活動活性化の中長期的な方向性を示す「関作ビジョン」をまとめた。
 作業工具の市場はリーマンショック後回復しているが、ネット販売や海外製品の増加で取り巻く環境が大きく変化し得る可能性を指摘。業界発展のために取り組むべき課題として、業界に関連する情報提供や関作製品のPRを重点項目に位置付け、具体的な事業活動につなげていく。

作業工具業界の発展へ

提言する取り組み課題

  1. 業界情報、官公庁情報の適切な提供
  2. 関作製品のPR活動、共同宣伝の検討
  3. 補助金申請等支援
  4. 市場調査研究
  5. 情報交換の場の提供
  6. 国内工場見学
  7. 共同販売の検討
  8. デザインセミナー研修等

 同組合は昨年、ビジョン策定へ向けて宇城邦英副理事長(京都機械工具社長)を委員長とする関作活性化委員会を発足。大阪府中小企業団体中央会の協力を得て、業界の現状や将来予測などについて議論を重ね、組合企業への事業動態のアンケートを分析し、ビジョン案を作成。5月15日にホテル日航大阪で開いた通常総会で新年度の事業として推進することを正式に決定した。

 ビジョンはまず業界の現状・直面する課題や、組合企業の経営動向・強み・弱みを分析している。

 業界の現状では「製造出荷量はリーマンショック後のボトムから回復傾向にある」、「魅力のある製品造りに取り組んでいる」とし、直面する課題として「国内市場での輸入品のシェアが高まっている」、「国際競争力強化のため流通・海外展開で合理化・共同化が必要」などと指摘した。

 組合企業の経営動向では、「新たな販路を開拓したり、海外展開、規模拡大に力を入れている」、「作業工具が伸びる分野は建設、電力・エネルギー、医療」とする企業が多く、強みに「日本製品は海外で評価が高い」「海外で積極的に設備投資」、弱みに「価格が弱含みで海外へ生産委託している」などを挙げた。

 そして、これらの分析結果やマクロ的視点による経済動向から中期的な将来のシナリオを作成。需要動向は2020年の東京五輪までは拡大する建築需要を背景に緩やかに拡大し、組合企業は適正利潤を確保し経営健全化が図られる。製品開発は技術力向上、高付加価値化により独自の製品開発、市場開拓ができていくと予想。

 一方で、人口減少や増税、ネット市場の拡大、日本経済の低成長が何らかの変化をもたらす可能性も示した。

 こうした動態調査や将来予測に基づき、組合が取り組むべき課題を提言。
その重要項目として①業界情報、官公庁情報の適切な提供②関作製品のPR活動③補助金申請等支援④市場調査研究⑤情報交換の場の提供⑥国内工場見学⑦共同販売の検討⑧デザインセミナー研修を挙げた。

 宇城委員長は「作業工具を取り巻く環境は大きく変化している。ビジョンが大きく実りのあるものにするために、会員企業がより一層協力していきたい」と語った。

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宇城活性化委員長

関作活性化委員会
委員長 副理事長:宇城邦英氏(京都機械工具社長)
委員 理事:川上喜八郎氏(東邦工機社長)
      地引俊為氏(ロブテックス社長)
      西川重吉氏(フラッシュ精機社長)
      野﨑恭伸氏(フジ矢社長)
      川本哲也氏(レッキス工業特別顧問)
ファシリテータ:吉松敏男氏(中小企業診断士)

川上氏が新理事長

具体的活動、新体制で

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 ビジョンで掲げた課題に基づく具体的な活動は今後、役員改選により総会で新理事長に就任した川上喜八郎氏(東邦工機社長)や新副理事長の西川重吉氏(フラッシュ精機社長)、野﨑恭伸氏(フジ矢社長)が中心となって進めていく。川上氏は理事長就任のあいさつで「有意義な活動ができるよう前を向いて取り組んでいきたい」と抱負を述べた。

日本産機新聞 平成27年(2015年)5月15日号

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