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経産省 製造DX拠点構想を立ち上げ
工場のデータとプラットフォーマーをつなぐ
経済産業省は2026年度内に「製造DX(デジタルトランスフォーメーション)拠点構想」を立ち上げる。クラウド上に仮想の拠点を設け、工場の稼働状況や測定結果などのデータを収集。そのデータを工作機械やFAメーカーなどの企業に提供する中間的な役割を担う。メーカー単独では収集しづらいデータを中立的な立場で集約し、工作機械やFAメーカーらに供給することで、製造業のデジタル化を支援する製品開発を促す。26年度内に詳細を公表する。

製造業の自動化や効率化を進める上で、デジタル技術の活用は欠かせない。しかし、中小製造業ではデジタル人材が不足しているほか、大手企業でもデータ収集に苦労するケースが多い。「製造DX拠点」では、こうした課題に対応し、製造現場におけるデータ活用基盤の整備を進める。
クラウド上に設置する「製造DX拠点」が担う役割は大きく2つ。一つが国内の工場からのデータ収集だ。協力企業の工場にある既存装置にセンサーやシステムを導入。設備稼働データや、工具、素材情報、加工時間などのデータを収集し、データベースを構築する。この役割は産業技術総合研究所などが担う。
もう一つが、収集したデータやクラウド計算環境を、製造業の共通基盤構築を目指す「製造プラットフォーマー」に供給すること。製造プラットフォーマーとは工作機械やFA装置、システムなど、他社が参加できる製造業の基盤構築を志向する企業を想定している。
データ供給や開発支援を受けたプラットフォーマーには、データを活用し、日本の製造業が強みとする現場力や技能を生かした新たな製品やサービスの開発を促す。
例えば、工程のボトルネックの予測モデルや、加工条件最適化モデルなど、メーカー単独では開発しづらいようなサービスを想定している。一方、データを提供した協力企業は製造DX拠点からさまざまなフィードバックを受けることができる。
AIの活用が進展する中で、製造業でも高品質で多様なデータの確保が競争力の源泉となりつつある。日本の製造業はこうしたデータの宝庫だ。ただ、メーカー単独でのデータ収集には限界がある。異なる工作機械や工程をまたいだデータの収集は難しく、工場全体にわたる広範なデータを集めるには課題がある。
製造DX拠点は中立な立場で運営するため、こうしたメーカー間によるデータ収集の制約が少なく、広範なデータを収集することができる。構想に参画するプラットフォーマーや、具体的なスキーム、データの取扱いルール、運用などの検討を進めており、26年度内に詳細を公表する予定だ。
経済産業省製造産業局の産業機械課の須賀千鶴課長は「日本国内には長年にわたり蓄積されてきた職人技能や製造ノウハウ、現場データが存在する。これらを横断的に集約し活用することができれば、日本の製造業は一段と競争力を高めることができる」と話している。
日本産機新聞2026年3月5日号
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