2025年2月9日(日)

機械工具商社上場9社の2015年3月期決算

8社増収、全社増益

補助金で機械好調

表_全体_R

 機械工具上場商社の業績回復が力強くなってきた。2015年3月期の売上高合計額は前の期に比べ6%増え、営業利益、経常利益ともに2割近い伸びを記録した。補助金や減税効果で工作機械が好調に推移し、自動車や航空機などの分野も堅調で、工具、伝導機器なども好調を維持した。今期についても好調だった前期と同等かそれ以上の水準を見込む。

今期も増収予想

自動車、引き続き堅調

 機械工具上場9社の決算を集計した(トラスコ中山は12月期に移行したため、独自試算)。全体の売上高は1兆3327億円と前期比で6・1%増加。営業利益は468億円と19・5%伸び、経常利益も489億円と19・7%増えた。市場が堅調を持続するなかで、これまで進めてきた合理化が効き、利益を押し上げた。

 増収のけん引役となったのが、好調を持続する工作機械だ。機械に強い商社は一桁後半から二桁の増収を記録した。ものづくり補助金や100%減価償却できる減税に加え、自動車やスマホなどの主要ユーザーの好調が要因だ。ユアサ商事の工作機械部門は1062億円と11・7%増となったほか、山善も国内の工作機械部門は649億円と8・3%増加。フルサト工業の機械部門も166億円と12%伸ばした。

 工作機械の投資に支えられるように、工場現場も高い稼働率を維持したことから、消耗品の切削工具も好調だった。特に自動車、スマホなど幅広い産業で稼働率が高かった。NaITOの切削工具部門は199億円と7・9%増加。同じく、大阪工機の切削部門も131億円と9・4%伸ばしている。

 伝導機器も堅調を維持。日伝は伝導機器、産業機器、制御機器の全部門で増収となったほか、半導体や車載関連、電子機器についよい鳥羽洋行も二けたの増収となった。

 今期に関しては前期並みか、微増とする見方が大半だ。工作機械では、引き続き補助金効果が見込まれるほか、減税も継続する。機械や工具でも自動車関連は底堅く、EMS関連の加工なども見込まれるなど「マイナス要因は見当たらない」との見方が強い。全社の売上高合計予想では1兆3800億円と前期比3・6%と好調だった前期以上の水準を見込む。

日本産機新聞 平成27年(2015年)5月25日号

カワタテック 外段取りで自動化促進【特集:工程短縮】

パレットチャンジャ「SP4770G」 変種変量生産にも対応 25年以上前からファナック製ロボドリルに対応するパレットチェンジャを2機種(SP3970G・SP3950G)揃え、国内外で2000台の納入実績を持つ。 今回、新 […]

オーエスジー 切削だけで樹脂鏡面仕上げ【特集:工程短縮】

「ディスクカッタ+単結晶ダイヤモンド」 バフ研磨不要で大幅時間短縮 オーエスジーはディスクカッタ「PFDC」に単結晶ダイヤモンドインサート「DM001」を追加、11月20日から販売開始した。 切削加工だけでアルミニウム合 […]

浦谷商事 金型でシリアル番号など成形可能 【特集:工程短縮】

「自動回転式デートマーク」 シールやレーザーマーク工程不要に 浦谷商事が開発した「自動回転式デートマーク」は、射出成形のワンショットごとにデートマーク内に埋め込まれている数字部分が自動で回転し、全成形品に個別のシリアルナ […]

トピックス

関連サイト