2026年10月11日(日)

成長へ独自の戦略 <卸商社>

商品や提案力 専門性に磨き

ニーズ分析、IT活用も

機械工具卸商各社が独自路線を強化し始めている。得意分野をさらに強化し専門化を図る企業や、物流投資で利便性を高める商社、IT投資で検索や発注業務の簡素化につなげる会社などそれぞれの方策で、競争力強化につなげている。また、卸商社でも展示会や様々な販促ツールでユーザーニーズの収集を強化するなど、顧客の利便性を向上させようと各社戦略を練る。卸商社のトップに今後の方向性などについて聞いた。

既存の方法に危機感

卸商社が独自路線を強化するのは危機感がある。ある商社トップは「リーマンショック前までは良い意味でも悪い意味でも、既存のやり方で『食べてこられた』。今後は以前と同じじゃ食べられない」と危機感と変革の重要性を強調する。最近ではネット通販企業などの伸長で、「右から左への商売では利益が取れなくなっている」(ある販売店社長)ことも背景にある。
 そんな中、各卸商社は元々の強みや新たな方向性を見出し、独自路線を鮮明にしている。一つが専門化だ。「切削工具の生産性を提案する商社」(大阪工機)や「説明が必要な測定機器に注力」(西野産業)、「ポンプなら南出キカイと言われるようにしたい」(南出キカイ)など専門性を強化する。NaITOも切削の強みを生かし「切削加工周辺の計測の計測を強化」する。
 トラスコ中山は「業界のインフラ企業を目指す」とし、配送を自社に取り込むほか、在庫を増やす。シミヅ産業も「4在庫センター体制を構築」するなど、物流機能の充実を図る。
ユアサ商事や山善はIT投資を強化するなど、全方位での提案を強化する。「システムを刷新し、データに基づいた提案を強化」(ユアサ商事)や「商流の多様化に対応すべく電子商取引の基盤を構築」(山善)とする。
 卸商社でも販売店への提案を強化するためにユーザーニーズの収集に力を入れる企業も目立つ。日伝は展示会などを通じ「市場のニーズをとらえる」とし、「販売店の売上を増やすにはユーザー情報が不可欠」(俣野)。ジーネットも「ユーザーの欲求の本質を知らないと最適な商品選択はできない」と、ユーザーニーズの収集に軸足を置く。
 また、喜一、エスコ、小川善の3社が一体となったJoyful喜一ホールディングスは「3社の連携を強化し、特長を生かしシナジーを出す」ほか、「関東でのカバーエリアを広げる」(ヒシヒラ)、「女性専門営業チームの強化」(大喜産業)、「他社との協業を模索する」(前田伝導機)など、独自のやり方で顧客の利便性向上を図り、競争力強化につなげている。

日本産機新聞 平成26年(2014年)7月25日号

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