2018年7月20日(金)

新人営業に望むこと
不変の課題と変化への対応

 対話力やチャレンジ   IT使い、対応早く   基礎じっくり教える 

 機械工具のメーカーや商社、販売店に新卒の営業が配属されてもうすぐ3カ月。新人営業に経営者や営業の責任者は何を望んでいるのだろうか。身につけて欲しいこと、仕事に向き合う姿勢、そしてその理由は。時代を超えて変わらぬことと、今の時代だから必要なこと。取材でその両面が見えてきた。

経営者や営業責任者にヒアリングした主な回答

新人営業に望むこと
・見積もり依頼や在庫確認のレスポンスを早く ・スマホやタブレットと動画をうまく活用
・顧客が何を求めているのかを理解する力 ・販売を伸ばすためのプロセスを考える力
・世代や考え方を超えて人と対話できる力 ・積極性、夢を持つ、素直さ、誠実さ
・顧客、仕入れ先、社員への感謝の気持ち ・社会人としての身だしなみやマナー

新人営業の教育方法、心掛けていること
・集合教育、フォローアップ教育 ・OJTで上司、先輩が指導
・主催するワークショップに参加 ・仕入れ先メーカーの工場を訪問し研修
・ビジネスマナー研修 ・経営方針をしっかり伝える
・質問し易い環境をつくる

 切削工具メーカーの社長は新人営業に望むことについて「見積もりや在庫確認、特注品の問い合わせに対するレスポンスをできる限り早く」。

 今やパソコンやスマホで仕事のやり取りするのは当たり前。取引先の購買担当と「誤配されている」「訪問時間が遅れそう」といったことも若い世代はLINEなどのSNSで連絡し合う。

 そんな時代に「今日頂いた依頼を翌日に回答しては遅すぎる」。明日の朝一番に見積もりを送る。工場の技術部に相談中。そういった進捗をその日のうちに報告するよう指示しているという。

 スマホやタブレットなどの携帯端末の登場や画像・動画閲覧技術の進化は機械工具の営業活動に影響を与えている。

 「端末と動画をいかに活用できるか」と話すのは販売店の営業部長。今力を入れるのがドイツやイタリアの工具。性能が高く欧州では知られているが日本での認知度はまだ低い。

 ユーザーに特長を説明する時、役に立つのが動画。加工スピードや音、切粉の飛び散り方が再現される。相手は加工のプロ、こちらは新人。「知識不足を少しでも補える」。

 一方、コミュニケーション力や考える力、チャレンジ精神、誠実さは営業が成長するための要素としてどの時代でも経営者や責任者が求めること。

 伝導機商社の社長は「顧客が困っていることを対話から感じて欲しい」。生産効率や品質向上を目指す現場の課題は多様化し、AI、ロボットなど新技術も次々登場する。「何を提案すれば喜んで貰えるか。常に考えて欲しい」。

 ただ「提案力や考える力はコミュニケーションの積み重ねでしか得られない」。業種や規模の異なるユーザーの立場や考え方が違う多くの人と対話する。「経験の量を増やし、力の質を上げて」。

 その経験を重ねる上で「素直さや努力、夢を持つことが大切」とするのは電動工具メーカーの事業部長。「最も大切なのは信頼されること。若いうちは失敗してもいい。誠実に、一生懸命が大切」。

 ではどのように教育しているのか。「チャレンジ精神を育むためワークショップに参加」(ねじ商社)、「生産や開発も理解するよう工場で半年研修」(作業工具メーカー)と様々だが工具商社の社長は「じっくり成長を待つこと」。

 今の若者は仕事に欲が無いといわれる。しかし「決してそうでは無い。仕事の魅力を感じることができていないことも。我々が魅力を伝える、逆に悩み相談や質問をし易い風土をつくる。それがイキイキと働いて貰うカギかもしれない」。

日本産機新聞 平成30年(2018年)6月20日号

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